
ひきこもりの方がいらっしゃるご家庭では、ご両親が亡くなった後はどうなってしまうのか心配でしょう。
ひきこもりの方はすぐに就労するのが難しく、経済的な自立を望むのが難しいものです。
そこで仮に誰か力添えをしてくださる方がいる場合をご想像ください。例えばご兄弟などどうでしょう。
ご兄弟がいらっしゃたら、ひきこもりの方を支援してくれると簡単に想像することができるかもしれません。
けれどもそこにトラブルの種があるのです。
今日はそんなひきこもりの方がいらっしゃる家庭に起こりがちな、兄弟との紛争トラブルをご紹介し、解決策を提案いたしましょう。
確かに兄弟愛は尊く信頼すべきものです。
ただひきこもりの方は就労しづらいので、他のご兄弟に比べてご両親から様々なサポートを得ることがあるでしょう。
すると、それをよく思わない兄弟も世の中にはいなくはないのです。
そんな時、ご両親が亡くなったケースをご想像ください。
そこで以前からひきこもりの方を優遇することに、良く思わないご兄弟は、次のことを言うかもしれません。
そう、ひきこもりの方はこれまで得をしてきたのだから、親の財産を平等に分けることはできないと。
こんなケースは困りますよね。
ひきこもりの方にご兄弟がいる場合、それが助けになるパターンもあれば、逆に紛争を起こすこともあるのです。
そんな時、未然に防ぐ対策はあるのでしょうか。
それは公正証書遺言を書き、事前から他の兄弟に、ひきこもりの方の人生設計を説明しておくことがベストです。
自筆遺言ですと、引きこもりの方が検認の手続きに関わることは難しいでしょう。
また他の兄弟から、ひきこもりの方の優遇を主張され、その方の持分を減らされないように、事前から遺言書で「持ち戻しの免除の意思表示」をしておくことも大事です。
後は遺言で、法的拘束力はありませんが、付言事項に他の兄弟へのねぎらいや理解を求める言葉を添えてもいいかもしれません。
以上、本日は引きこもりの方がいらっしゃる家庭での他の兄弟とのトラブル例を説明いたしました。
相続の時、財産の公平な分担を認めない主張を他の兄弟の方がなされると、引きこもりの方は援助どころか不利益を被ってしまうでしょう。
そこでおススメなのが公正証書遺言を準備しておき、ひきこもりの方に合わせた財産の分け方のプランを立てておくことです。
その際に「持ち戻し免除の意思表示」も忘れずに。
こうした事前からの十分な準備があれば、引きこもりの方がいらっしゃる家庭でも安心でしょう。
まとめ
- 引きこもりの方がいらっしゃる家庭に他のご兄弟がおりますと、相続の際に公平な分割を認めない意見が出る可能性がありトラブルへつながる
- ベストな対策は公正証書遺言を準備して、ひきこもりの方に合わせたプランを事前に作成し、また持ち戻し免除の意思表示もしておく
