もし、身寄りのない高齢者様であるおひとりさまが意識不明の状態に陥れば、誰が代わりに治療の選択をしてくれるのでしょうか。
年齢が上がるにつれ、病気にかかるリスクも大きくなります。
予期できればいいのですが、突然、それも意識を奪う形で病が襲ってきた時、どのように対処すればよいのでしょうか。
特におひとりさまの場合、身近に親しい親族もおらず、また自分の終末医療について意見を日ごろから言い合える人もいないかもしれません。
自分の人生は最終的に自分次第です。自分の意思決定に則して納得のいく人生を送ることが、「人生の質」(Quality of Life)を上げる一番の要因です。
ですから、事前に契約書で、終末医療に関する意志を記しておくと、いざという時、たとえ意識がなくても、その意志通りに事が実現する可能性が高くなります。
そこで本日ご紹介する終活サポートは、そうした契約書の一つである「終末医療に関する事前指示書」についてです。
この事前指示書には主に3つの意見を記します。
①自分の代わりに医療に関して判断・決定をしてくれる代理人
②望む医療処置と望まない医療処置
③残された人を自分らしく過ごすための意見
①については氏名・緊急連絡先などを記しておきましょう。
②については、病気が治る見込みがないのに施される「延命治療」についての意見を記しましょう。人工呼吸器や人工透析などです。
注意して頂きたいのは、助かる見込みの「救命治療」は含まれない点です。
③については、可能であれば自宅で死にたいとか、苦痛を和らげて欲しいとか、好きなものを食べさせてほしいとか、ご自身の意見を書いてください。
そしてこの契約書をより信頼のあるものにしたい場合は、「尊厳死公正証書」という公正証書を作成いたしましょう。
これは本人の尊厳死に関する宣言を、公証人が本人の真意に基づくと確認して作成する証書です。
こうした契約書を作成しておくと、いつなんどき、急な事態に陥っても、終末医療に関してはご自分の意志通りに処置が施されます。
人生の質を上げるのに自己決定が大事だと言われますが、いつまでも自由に自己決定が出来るわけではありません。
あなたの意志を確実にするために、あなたの希望通りに人生を生きるために、事前に終末医療に関する契約書を作成しておくことを終活支援としておススメいたします。
まとめ
- 突然意識不明の重体に陥った時のために、特におひとりさまは、終末医療に関してご自分の意志記した「事前指示書」や「尊厳死公正証書」を作成なさることをおすすめいたします。