
【まず初めに】就労継続支援B型の基本を徹底解説!


就労継続支援B型は、利用対象者が自立した日常生活・社会生活を営みことができるよう、利用対象者と雇用契約を結ばずに就労の機会を提供し、知識・能力の向上の為の必要な訓練を行います。
利用者様と雇用契約を結ぶ必要はありませんが、働いた時間や量に応じて工賃を支払う必要があります。
メリット | デメリット |
---|---|
最低賃金を払わなくていい | 工賃を支払う必要がある |
労働時間がわずかでもいい | 利用者が辞めやすい |
雇用する必要がない | 雇用関係の補助金はもらえない |
作業量が少なくてもいい | 売り上げが大きくならない |
就Bの収益の構造:就Bは儲かる!?

<就Bの収支構造のポイント>
・モデルの収支差は6.0%で、モデル定員は22人になります
・定員1人あたりの収支差は10万6千円です
・全事業所の客体数が一番多い収支差率は5%から10%です
・ただし約35%超の事業所は赤字です
【設立】就労継続支援B型の指定申請条件とは?

スタッフを集めて適正に配置する
職種 | 配置数 | 常勤要件 | (備考) |
1.管理者 | 1名以上 | 無し | 利用者60人に1人 |
2.サービス管理責任者 | 1名以上 | アリ | 利用者60人に1人 |
3.生活支援員 | 1名以上 | アリ(↓がアリなら無し) | 利用者10or7.5人に1人 |
4.職業支援員 | 1名以上 | アリ(↑がアリなら無し) | 利用者10or7.5人に1人 |
※「1.管理者」と「2.サービス管理責任者」は兼務が可能です。ただし自治体によっては兼務の管理職の最低勤務時間が決められているのでご注意ください。
※ 「3.生活支援員」は個別支援計画にもとづいて利用者の生活スキルの向上、健康管理などのを行います。無資格でも大丈夫ですが、障がい者への相談援助、健康管理、食事・排泄介助など直接支援業務の経験があることが望ましいです。
※ 「4.職業支援員」は個別支援計画にもとづいて利用者が個性、特性を活かして働くことができるよう助言、指導、作業のサポート等を行います。無資格でも大丈夫ですが、一般企業での働いた経験の者や事業に必要な資格を持っていることが望ましいです。
※ その他にも必須の人員ではありませんが、昼食を作る「調理員」や作業の生産性を高める「目標工賃達成指導員」を配置することもできます。この「目標工賃達成指導員」は加算要件にもなります。
サービス管理責任者について
サービス管理責任者は、利用者さんに対する支援の方向性を定め、支援計画を作成する最重要なポジションです。
ただサビ管の要件を満たす条件は複雑で、もしサビ管資格なしに事業所を運営すると自治体とトラブルになります。最悪の場合、報酬の返金になってしまいます。
<サビ管雇用で気になるポイント>
・【注意】みなしサービス管理責任者とは?条件や注意点も解説
・【注意】実務経験証明書が入手できない時はどうすればいいの?
・【注意】実務経験証明書の発行依頼のポイントとは?
・【必見】サービス管理責任者の兼務を徹底解説!間違えやすい点も説明
・【要点】「実務経験証明書」を取得する工夫とは?
常勤換算と利用者数の計算
利用者数に応じてスタッフの配置基準は変わり、常勤換算という特殊な計算式でその配置基準を満たすように勤務体制を作る必要があります。
ただ常勤換算と利用者数の計算は複雑で、もし不適切な勤務体制で事業所を運営すると自治体とトラブルになります。最悪の場合、報酬の返金になってしまいます。
<常勤換算について>
・【必読】常勤換算の計算総まとめ!減算にならないためのポイント
・【基本】常勤換算について徹底解説!計算方法/注意点/よくある質問まで
・【必見】利用者数の計算の仕方のポイント!人員配置の注意点まとめ
・【まとめ】グループホームの人員配置の計算とは?初歩から注意点まで解説
・【必見】サービス管理責任者の兼務を徹底解説!間違えやすい点も説明
<減算について>
・【基本】人員欠如の減算とは?計算方法や注意点も解説
・【詳解】人員欠如の減算:基準や緊急対応・防止策をご説明
・【詳解】サービス管理責任者欠如減算と個別支援計画未作成減算とは?
設備基準を満たしていること
(種類) | 要件 |
1.訓練作業室 | 訓練・作業に支障なく必要な器具等を備える広さ |
2.相談室 | 室内の話が漏れないために間仕切り等を設ける |
3.洗面所 | 利用者の特性に応じたもの |
4.トイレ | 利用者の特性に応じたもの |
<開業物件を選ぶ注意点>
・【注意】用途変更の注意点とは?200㎡未満の施設面積ポイント解説
法人格があること
(種類) | メリット | デメリット |
1.株式会社 | ・出資者を募りやすい ・最低1人で設立可能 ・利益の分配の仕組みがわかりやすい ・会社から給与として経費を受け取ることができる | ・設立必須費用が高い ・税金の負担が多い ・決算広告の義務がある ・社会保険への加入が義務 |
2.一般社団法人(非営利) | ・非収益事業は法人税がかからない ・設立書類が比較的容易 ・設立費用が安い ・他者を共同経営に参加させやすい | ・理事は常に3人以上 ・解散時に財産を分配できない ・会計が複雑 |
3.NPO法人 | ・基本的に法人税がかからない ・設立時費用がかからない ・非営利事業への気持ちを形にしやすい | ・設立に気持ちを共有する10人もの数を集めなければならない ・行政による書類作成の指導により、設立に時間がかかる ・1年に1度の行政への報告義務あり、定期的に不備がないか監査される |
4.社会福祉法人 | ・施設設備に一定額の補助あり ・税制の優遇がある ・職員に国家公務員の給付水準に準拠した退職金制度がある | ・設立にて「役員」と「資産」の要件が厳しい ・経費経常の規制がある |
5.合同会社 | ・設立費用が安い ・社員が有限責任 ・決算の報告義務がない | ・事業継承が難しい ・出資者が業務執行権を持つ |
【経営】就労継続支援B型の運営のポイント解説

工賃を上げる体制を整える
就労継続支援B型で人を集めるには、工賃を高くして働ける環境をアピールすることが大切です。
就B事業所では工賃を高額にできる仕組みや適切な支払い体制を作るようにいたしましょう。
<工賃上昇のための体制づくり>
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<工賃支払いを適正に管理する>
・【基本】就労継続支援B型:工賃支払いの注意点は?月ごとの手続き解説
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基本報酬単位の設定を見直す
就労継続支援B型の収益を拡大するには利用者を集めると同時に、基本報酬単位を改善して1人あたりの収益を拡大する必要があります。
令和3年度から「平均工賃額に左右されない、地域協働を重視する新しい形の基本報酬のシステム」ができたので、行政の動向に注意して最適な基本報酬を選択しましょう。
<現状に応じた適切な事業所体制を作る>
・【基本】平均工賃月額の計算の仕方は?解説と注意点とは
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<工賃支払以外の参加・共感型の新体制を目指す>
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職場の環境を改善する
就労継続支援B型の事業所を事業拡大するには、スタッフに高い賃金を出したり管理業務を健全化したりする必要があります。
目先の利益ではなく自治体や利用者に信頼される体制づくりを始めから行うことが、事業を長く続けて大きくするポイントです。
<処遇改善加算を適正に取得する>
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<事業所管理の健全化に努める>
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・【義務化】虐待防止委員会とは?運営規程の書き方から記録書類まで解説
・【注意】就労支援事業会計とは?会計区分や按分処理のポイント解説
・【注意】就労支援事業会計の積立金とは?余剰金を発生させない会計処理
・【注意】用途変更の注意点とは?200㎡未満の施設面積ポイント解説
<年度ごとの義務化への対応>
・【令和3年度】障害福祉のハラスメント防止の対策とは?運営規程の変更案
・【令和4年度】虐待防止委員会とは?運営規程の書き方から記録書類まで解説
・【令和5年度】身体拘束適正化委員会と「身体拘束廃止未実施減算」とは
開業サポート
指定申請基本料金: 170,000円(税別)
障害福祉サービス事業所の指定申請に関わる書類の作成及び申請の代行に必要となる料金です。
条件に合った障害福祉サービス事業所の選定、各官公庁と事前に執り行う協議などです。
・申請書類の作成と収集:
申請書の作成し、必要となる添付書類を取りまとめます。
・申請の代行:
申請に伴う各市町村との協議や実地における調査の代行をします。


法人設立〜指定申請基本料金: 290,000~452,000円(税別)
設立代行 | 定款認証手数料 | 印紙税 | 指定申請基本料金 | 合計 | ||
株式会社 | 80,000円 | 52,000円 | 150,000円 | 170,000円 | 452,000円 | |
合同会社 | 60,000円 | 0円 | 60,000円 | 170,000円 | 290,000円 | |
NPO法人 | 180,000円 | 0円 | 0円 | 170,000円 | 350,000円 | |
一般社団法人 | 90,000円 | 52,000円 | 60,000円 | 170,000円 | 372,000円 |
顧問契約
月額(1事業所あたり): 18,000円(税別)
依頼者の障がい福祉事業所の専属顧問として適正な運営をサポートいたします。

算定状況や、取得している加算状況などを確認いたします。
・帳票等(書類)の確認:
運営に必要な書類等が備わっているか、またその記載の仕方が適切か確認いたします。
・適正な運営を行っているかの確認:
法令や市町村ごとの独自ルールを守って運営されているか確認いたします。
・請求内容と状況の確認:
国保連への請求が支援内容に基づいているか、また正確に反映されているかを確認いたします。
・人員配置の確認:
適切な運営に必要な人員を満たしており減算の対象となっていないか確認いたします
・加算の提案:
現状においてどのような加算を取得できる可能性があるのかを調査いたします。


