
「就労移行支援体制加算」を取得するための条件とは何でしょうか?
令和3年の報酬改定に見られるように、利用者の「就労」を積極的に支援する事業所が評価される(=報酬がアップする)傾向にあります。
この記事を読めば、就労移行支援体制加算の条件とそのオススメの活用事例が分かります。
弊所は障がい福祉事業の就労継続支援の事業所と関わる中で、あまり利用者の就労を積極的に働きかけていない事業所も拝見してきました。
特に、様々な民間企業と就労継続支援事業所のコラボが企画されているトレンドの中で、利用者の就労も促すことは時期にもかなっているかもしれません。
就労移行支援体制加算とは?

利用者の自立した日常生活に向けてサービスを提供する障がい福祉事業にとって、「就労」は一つの目標です。
その目標を達成した事業所に、その成果に対する報酬として1年間の加算(=「就労移行支援体制加算」)が認められます。

条件

パターン1
9月 就労開始:1ヶ月目
10月 :2ヶ月目
11月 :3ヶ月目
12月 :4ヶ月目
1月 :5ヶ月目
2月 :6ヶ月目
3月
4月 加算の算定が開始
パターン2
11月 就労開始:1ヶ月目
12月 :2ヶ月目
1月 :3ヶ月目
2月 :4ヶ月目
3月 :5ヶ月目
4月 :6ヶ月目
↓
翌年4月 加算の算定が開始
届出

・その方の就職先での「在職証明書」または「給与明細」や「出勤記録」も備えておいてください
・その方の「内定通知書」「雇用契約書」なども揃えておく必要があります
加算額

定員数や基本報酬の体系で異なります。
例:就労継続支援B型(II)/定員20名以下/平均工賃額1〜1.5万円
→就労移行支援体制加算は48単位
48単位 × 地域単価10円 × 就労1名= 480円/1日
480日 × ( 20名×20日 :1ヶ月の延利用回数) = 192、000円/1ヶ月
よくある質問

就労とは正社員になることでしょうか?
答:バイトや非正社員でも認められます。それらも「就労」に含まれます。
転職した場合でも6ヶ月以上勤めていたら大丈夫ですか?
答:転職の場合は認められません。
就労はせずに個人事業主として独立した場合、就労移行支援体制加算を算定できますか?
答:個人事業主になった場合は算定できません。
就労継続支援に在籍しながらもバイトで就労する場合は?
答:加算を算定できない場合があります。自治体にお問合せください。
9ヶ月働いたけれど離職した利用者がいても算定はできる?
答:算定できます。
利用者が減ると基本報酬も減って不安なのですが、、
答:安心してください。欠けた利用者分を補填するだけの金額を超えて、その事業所の利用者それぞれの基本報酬に上乗せして算定されます。
欠けた利用者分:538単位×地域単価10円×20日=107、600/1ヶ月
就労移行支援体制加算:480日/1日 × ( 20名×20日 :1ヶ月の延利用回数) = 192、000円/1ヶ月
オススメの活用事例

特定の民間会社と連携した事業所

「就労移行支援体制加算」は、単に労働の機会を提供するだけでなく、その後の「就労」を目指した体制を整えている障がい福祉事業所にオススメです。
例えば株式会社などが、特定の事業を委託する前提で設立した事業所などです。
また企業側にとっても「障害者の法定雇用率」を満たすことにもつながります。
基本報酬IIIかIVを選択した就B

令和3年の報酬改定で就労継続支援B型は、平均工賃月額に左右されない「就労・生産活用による報酬体系」(III or IV)を選択することができるようになりました。
従って地域間で利用者様の情報が共有されることから、就労への道が広がりやすいと言えます。

就労継続支援の事業所は、利用者人数に応じて給付される基本報酬が収入源なので、利用者が就労して少なくなると基本報酬が減ります。
しかし「就労移行支援体制加算」はそうした欠けた利用者分を補填するだけの金額を超えて、その事業所の利用者それぞれの基本報酬に上乗せして算定されます。
まとめ

「就労移行支援体制加算」で得する事業所さま
・基本報酬IIIかIVを選択した事業所さま