配偶者が亡くなり、高齢のおひとりさまになれば、とあるリスクが高まります。
それはセルフネグレクトです。
自分に対する世話をすることは、案外、体力がいるものです。
独り身になり、さらに高齢でもあれば、そうしたケアさえ放棄したくなるのでしょう。その結果、ゴミ屋敷などになってしまいます。
特に男性の場合は注意が必要です。
女性に比べて人間関係が希薄であり、自立へのこだわりも強く、弱さを見せることが得意ではありません。こういうケースは少なくありません。
そんな状況であるのに、まだ日本でセルフネグレクトに対して直接対処する法律がないことに注意いたしましょう。
ですので、こうした問題にあたる時は、高齢者虐待などの規制を援用して取り組むことになります。
つまりオーソドックスな解決策が未だに存在していません。
そんな時に、セルフネグレクト支援に関して心掛けないといけないのは、次の二点です。
まずチームワークで取り組むということです。
担当者が一人で抱え込まず、計画に則してチームを作り、地域包括支援センターだけでなく、
行政の高齢福祉担当部署、民生委員、民間業者、地域住民との協働作業をしないといけません。
次にセルフネグレクトと対話することを諦めないことです。
有無を言わさず処置をしても、また繰り返してしまうことは明らかです。
ですので、その方の意思やライフスタイルを尊重すると同時に、リスクなどもはっきりお伝えする必要があります。
セルフネグレクト支援の要点をお伝えしました。そこから分かるのは、如何にセルフネグレクトの方を救済するのが難しいかということです。
結局、家族でかかえこまず、初期段階で問題を察知し、早期の支援にあたることが重要になってくるのです。これも重要な終活サポートの一つです。
おひとりさまになったらお金が大変だなあということは、よく言われます。
ただそれだけでなく、おひとりさまの複雑な心の機微や生活環境にも注意を払い、セルフネグレクトに陥らせないことが肝心です。
いかに関係機関がチームを組んで地域の終活の対策にあたるのかが大事なのです。
まとめ
- まだ日本にセルフネグレクトに関して直接定めた法律はありません。
- セルフネグレクト支援は、1.チームワーク、2.本人の意思の尊重が大事です。
- 家族でかかえこまず早期に発見することが一番の予防策です。