おひとりさまは、何も高齢者に限ったことではありません。
非正規雇用など経済的に不安定な立場にあり、親に頼らざるを得ない状況の子どもは、おひとりさまであることが多いです。
そんな時、親である自分が介護を必要とするようになった場合、遺言や相続などどのような終活の準備をしておけばよいのでしょうか。
子どもに介護をお願いするにも、子どもの就労環境は安定しておりません。
確かに2017年に育児・介護休業法が改正され、非正規雇用者も育児・介護休暇を取得できるようになりましたが、現時点での実効性は確かではありません。
しかも介護は終わりのないケア労働ですので、先の見通しが立たず、いつ取得すればよいのか判断するのが難しいのです。
更に子どもが介護離職などすれば、次の就職先も不安定な立場になる可能性が高いです。
そんな時、親は将来を見据えてどのような終活の対策を取ればいいのでしょうか。
まず意識がしっかりあるうちに「公正遺言証書」を記し、相続財産の管理を徹底することです。
親が亡き後に、少しでも子どもの生活が楽になるよう工夫する余地があるでしょう。
次に信頼できる第三者と「任意後見契約」を結びことです。
その分の費用は発生いたしますが、子どもの負担を減らすと共に、万全のサポートを獲得することができます。
現在も日本経済の先行きが見えない中、こうした子どものおひとりさまの負担が増えるケースは増えていくでしょう。
危機に陥ってからでは遅く、なかなか困難な状況が続いてしまいます。
ですので事前から、遺言や任意後見を活用して終活の準備をして法的な対策を立て、親も子どもも共に身を守っていきましょう。
まとめ
- 経済的に不安定な子どもがいる場合、親は要介護になる前に、「公正遺言証書」を記して財産管理を徹底し、第三者と「任意後見契約」を結び子どもの負担を減らしてあげましょう。