就労継続支援B型に加え、新しく放課後等デイサービスの福祉事業を開業いたしました。ただ欠席時対応の加算を取得するにも複数あって取り扱いがわかりません。
そこで放課後等デイサービスの「欠席時対応加算」について詳しく教えていただけますでしょうか?
放課後等デイサービスの「欠席時対応加算」は2種類あるのが特徴的です。
通常の「欠席時対応加算」と違うのは短時間利用にも適用できる点で、それを知らないと損をします。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 放デイの欠席時対応加算の各種類の基本がわかります
- 放デイの欠席時対応加算の算定要件がわかります
- 放デイの欠席時対応加算の注意点がわかります
放デイの欠席時対応加算の取得条件とは?
児童系に限らず障害福祉事業には、利用者の欠席時に支援した場合に取得できる加算があり、開業直後でも利用者の利便性のために多くの事業所が取得しています。
<放デイの欠席時対応加算の概略について>
利用する児童が欠席した場合又は短時間利用の場合に加算を算定いたします
・欠席した場合 :94単位/回
・短時間利用の場合 :94単位/回
放課後等デイサービスの「欠席時対応加算」は欠席した場合以外にも適用できることに驚きました。
放課後等デイサービスで漏れなくしっかりと「欠席時対応加算」を取得してきたいので細かい算定条件や注意点を教えてもらえるでしょうか?
「欠席時対応加算」は実地指導の時にトラブルになることが多く、どの種類でも必要な援助とその記録を取ることは欠かせません。
基本的に「欠席時対応加算」は継続して利用し続けるよう支援することが前提にあります。
以下では具体的な例を示しつつ「欠席時対応加算」についてわかりやすく説明いたします。
欠席時対応加算(I):急病等による中止
放課後等デイサービスの欠席時対応加算(I)は、急病等により利用を中止した場合に連絡調整・相談支援・支援内容の記録を行った場合に算定することができます(=94単位/1回)。
<欠席時対応加算(I)の算定要件>
・前々日/前日/当日に利用中止の連絡がある
・電話等により障がい児の状況を家族等に確認し、継続して利用できるよう相談援助を行う
・中止のあった時期と相談援助内容を記録に残す
※欠席時対応加算(I)の算定回数
基本的には1月に4回を限度とします。
ただし1月の延べ人数が(定員数×営業日数×80%)に満たない場合は、重症心身障害児に限り8回まで算定することができます。
放課後等デイサービスの欠席時対応加算(I)は利用するお子様のご家族との連携が重要になってきます。
相談援助をスムーズに行うために連絡網を作るか、ご家族の携帯電話などを管理しておくことが大事です。
お子様の障害に慣れておられない家庭もあるので、相談支援に関しては慎重に対応いたしましょう。
欠席時対応加算(II):利用時間30分以下
放課後等デイサービスの欠席時対応加算(II)は、利用した日に急病等により30分以内に利用を中断した場合に算定することができます(=94単位/1回)。
<欠席時対応加算(II)を算定する時の注意点>
・当日の急病等を前日までに把握できなかったことが条件です
・障がいの特性により30分以内の利用になった場合は該当しません
・「30分以内」とはスタッフによる支援時間のみ含みます
※「30分以内」のポイント
・送迎時間は含みません
・体調不良で休憩している時の見守り時間は含みます
放デイの欠席時対応加算(II)の気を付けるポイントは、30分以内の利用になった原因がその子の障がい特性かどうかを判断することです。
障がい特性により30分以内の利用になった場合、市町村が徐々に利用時間を伸ばす支援の必要性を認めれば通常の報酬を請求できます。
※30分以内でも基本報酬を請求できる場合
徐々に時間数を伸ばす支援が必要であると市町村が認める場合、利用が30分以内に中止になれば基本報酬を請求することができます。つまり欠席時対応加算(II)は請求できません。
※欠席時対応加算(II)の算定回数
基本的には1月に4回を限度とします。
ただし1月の延べ人数が(定員数×営業日数×80%)に満たない場合は、重症心身障害児に限り8回まで算定することができます。
よくある質問
欠席時対応加算(I)の相談援助は直接ご家庭に訪問する必要がありますか?
答:訪問する必要はありません。
欠席時対応加算(II)の「30分以内」という条件は送迎時間を含めますか?
答:送迎時間は含めません。
欠席時対応加算(II)の「30分以内」という条件は休憩時の見守り時間を含めますか?
答:休憩時の見守り時間は含めます。
欠席が5回以上となった場合、事業所独自のキャンセ ル料を請求できますか?
答:請求できません。
急遽欠席し、同日に別の事業所を利用した場合は、算定できますか?
答:算定できません。
当日キャンセルがあり、他の方が利用することとなり定員10人になりましたが、請求人数が11人となって定員を超えた形で算定できますか?
答:算定できます。
まとめ
放課後等デイサービスの「欠席時対応加算」についてポイントが分かりました。ありがとうございます。
特に「欠席時対応加算」(II)の「30分以内」の計算の仕方には注意したいと思います。
「欠席時対応加算」(I)に関しては他の障がい福祉事業の「欠席時対応加算」と殆ど同じ算定条件ですのでご確認ください。。
他方で「欠席時対応加算」(II)は、児童の障がい特性を見極めることが大事なポイントです。アセスメントの段階から慎重に状況を伺い、市町村と協議をして準備しておくと安全です。
「欠席時対応加算」は放課後等デイサービスでも有効に活用することが事業所の経営の安定につながるので、ぜひ要件をしっかり守ってご活用ください。
戸根行政書士事務所からのお知らせ
※まとめ:児発・放デイの相談支援系の加算の一覧
1 事業所内相談支援加算:事業所内で個別/グループに相談援助を行う(月に1回)
2 家庭連携加算:自宅訪問をして本人/家族に相談援助を行う(月に4回)
3 関係機関連携加算:関係機関と連携して相談援助を行う(月に1回)
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