令和3年の報酬改定にて「福祉専門職員配置等加算」はどのように変わったのでしょうか?
「福祉専門職員配置等加算」は障がい福祉事業の経営を安定させるために、取得しやすい加算として知られています。
【必見】福祉専門職員配置等加算の種類、取得方法、よくある質問
でも、その「福祉専門職員配置等加算」が令和3年度の報酬改定で一部変更があったのですが、どのように変わったのでしょうか?
この記事を読めば、「福祉専門職員配置等加算」の変更内容がわかると同時に、そこから活用事例を通して事業拡大のヒントを得ることができます
弊所は障がい福祉事業所さまとお付き合いしていますが、多くの事業所さまは「福祉専門職員配置等加算」に関してその内容変更は知っておられます。
けれども、そこから今回の報酬改定全体を俯瞰して、事業拡大しやすい傾向にまで視点が向いているところは少ない印象です。
本日はそうした事業拡大を目指す障がい福祉事業所さまにとっても有益な情報をお伝えしたいと思います。
目次
福祉専門職員配置等加算が変わった!
「福祉専門職員配置等加算」に算定される有資格者に作業療法士が加わりました。
福祉専門職員配置等加算(I) 15単位/日
・職業指導員等(※工賃/賃金向上達成指導員は含まれません)として常勤で配置されている従業者のうち社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、作業療法士又は公認心理師である従業者の割合が100分の35以上ある場合に加算する。
福祉専門職員配置等加算(II) 10単位/日
・職業指導員等(※工賃/賃金向上達成指導員は含まれません)として常勤で配置されている従業者のうち社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、作業療法士又は公認心理師である従業者の割合が100分の25以上ある場合に加算する。
作業療法士の資格取得方法
「福祉専門職員配置等加算」の算定に必要な有資格者に作業療法士が増えたということで、現在のスタッフでその資格取得できれば、更なる加算が期待できるかもしれません。
そこで作業療法士の資格取得方法をお伝えいたします。
国家資格の受験資格
作業療法士になるには国家試験に合格しないとなりません。
そして重要なのが、その前提として「作業療法士養成校を卒業している」(もしくわ卒業見込み)ことが条件となる点です。
その作業療法士の養成校は、専門学校や大学など全国に約128校あって、標準的な修養年数は3年または4年とされています。
そこで作業療法士を目指しても、養成学校を卒業していない場合、かなりハードルが高いです。
国家試験の合格率
作業療法士の国家試験は毎年2月に実施され、筆記試験と口述試験があります。
ただ、注目すべきは2021年度の試験の合格率は81.3パーセントであった点です。
これはかなりの高確率です。
作業療法士の仕事内容
それではこのような国家試験に合格して取得した作業療法士の仕事内容はどのような者でしょうか。
作業療養士の仕事内容は、利用者が自分らしく生きるために日常生活の様々な作業に焦点を当てた治療・指導・援助であり、大きく分けると以下の能力の維持・改善です。
・応用的動作能力:食事やトイレ、家事など、日常生活で必要とされる活動
・社会的適応能力:地域活動への参加、就労、就学、趣味活動など
作業療法士のオススメの活用事例
これまで作業療法士の資格取得方法や仕事内容を確認してきましたが、「福祉専門職員配置等加算」との組み合わせを考える上で次のことがわかります。
しかしわずか10〜15単位の加算を取得するために、わざわざ作業療法士を新規で雇用することは割に合いませんよね。
そこで作業療法士を迎え入れることで、事業所のサービス全体が成長する戦略を描く必要があります。
基本報酬IIIかIVを選択した就B
令和3年の報酬改定で就労継続支援B型は、平均工賃月額に左右されない「就労・生産活用による報酬体系」(III or IV)を選択することができるようになりました。
ここで注目すべきポイントは、作業療法士の仕事内容の内の「社会的適応能力」の維持・改善でしょう。
作業療法士は、利用者さまの自分らしい生活形成のために、地域活動への参加、就労、就学、趣味活動などを支援いたします。
作業療法士の働きのおかげで、利用者さまが地域活動や生産活動に積極的になれば、工賃収入も安定し、事業所の経営拡大の基盤を築いていくことができます。
それゆえに作業療法士を生活指導員等に加えれば、人件費はかかりますが、「福祉専門職配置等加算」を算定できる上に、事業所全体の収益向上に影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
「福祉専門職配置等加算」の変更で得する事業所さま
・地域活動や生産活動に力を入れていて、従業員の新規募集をしている事業所さま
戸根行政書士事務所からのお知らせ
<常勤換算について>
・【必読】常勤換算の計算総まとめ!減算にならないためのポイント
・【基本】常勤換算について徹底解説!計算方法/注意点/よくある質問まで
・【必見】利用者数の計算の仕方のポイント!人員配置の注意点まとめ
・【まとめ】グループホームの人員配置の計算とは?初歩から注意点まで解説
・【必見】サービス管理責任者の兼務を徹底解説!間違えやすい点も説明
<減算について>
・【基本】人員欠如の減算とは?計算方法や注意点も解説
・【詳解】人員欠如の減算:基準や緊急対応・防止策をご説明
・【詳解】サービス管理責任者欠如減算と個別支援計画未作成減算とは?
<事業所管理の健全化に努める>
・【注意】利用者紹介のために紹介料を払う?利益供与の問題点と対策
・【基本】土曜日開業の注意点とは?人員配置等の問題を解説
・【必読】常勤換算の計算総まとめ!減算にならないためのポイント
・【必見】サービス管理責任者の兼務を徹底解説!間違えやすい点も説明
・【必見】就労支援事業会計とは?会計区分や按分処理のポイント解説
・【注意】就労支援事業の積立金とは?余剰金を発生させない会計処理
・【注意】サービス管理責任者の更新研修の条件とは?
・【基本】サービス管理責任者の実務経験おすすめルートとは?
・【基本】「一体型」と「多機能型」の違いとは?事業拡大のチャンス!
・【大注目】令和5年サービス管理責任者の実務経験が6ヶ月に変更!
・【大注目】令和5年サービス管理責任者不在の猶予期間が2年に!
<工賃上昇のための体制づくり>
・【高収入】施設外就労支援の注意点とは?基本から間違えやすいミスまで説明
・【推奨】就労移行連携加算とは?オススメ活用事例あり
・【注目】就労移行支援体制加算とは?オススメ活用事例あり
・【注目】就労継続支援事業所に計画相談支援事業所を併設して収益アップ!
<工賃支払いを適正に管理する>
・【基本】就労継続支援B型:工賃支払いの注意点は?月ごとの手続き解説
<現状に応じた適切な事業所体制を作る>
・【基本】平均工賃月額の計算の仕方は?解説と注意点とは
・【重度】「重度者支援体制加算」とは?よくある間違いも解説
<工賃支払以外の参加・共感型の新体制を目指す>
・【令和3年】ピアサポート体制・実施加算とは?オススメ活用事例あり
・【令和3年】地域協働加算とは?オススメ活用事例あり
<処遇改善加算を適正に取得する>
・【基本】福祉・介護職員処遇改善加算とは?条件・注意点を解説
・【基本】福祉・介護職員「特定」処遇改善加算とは?条件・注意点を解説
・【注意】処遇改善加算・特定処遇改善加算の対象職種とは?注意点も徹底解説
・【注意】処遇改善キャリアパス要件を満たすとは?記述例・失敗例あり
・【基本】賃金改善の方法をわかりやすく解説:トラブル防止の注意点もあり
<事業所管理の健全化に努める>
・【注意】利用者紹介のために紹介料を払う?利益供与の問題と対策
・【基本】土曜日開業の注意点とは?人員配置等の問題を解説
・【必読】常勤換算の計算総まとめ!減算にならないためのポイント
・【必見】サービス管理責任者の兼務を徹底解説!間違えやすい点も説明
・【義務化】虐待防止委員会とは?運営規程の書き方から記録書類まで解説
・【義務化】身体拘束適正化委員会と「身体拘束廃止未実施減算」とは
<ここが知りたい!実地指導対策:就労継続支援A型編>
・実地指導、ここがチェックされる①!間違えやすいポイント解説
・実地指導、ここがチェックされる②!間違えやすいポイント解説
<ここが知りたい!実地指導対策:就労継続支援B型編>
・実地指導、ここがチェックされる①!間違えやすいポイント解説