
令和3年の報酬改定で新設された「就労移行連携加算」とは、一体何でしょうか?またオススメの活用事例は?
障がい福祉事業の中で就労継続支援系は、「利用者を就労につなげたかどうか」が評価のポイントになり、それに対する加算がつきやすくなっています。
そこで本日は、こうした利用者の就労促進のために新設された「就労移行連携加算」についてご紹介いたします。
この記事を読めば、「就労移行連携加算」とは何かがわかり、オススメの活用事例まで知れます。
これまで多くの就労継続支援事業所の設立やサポートに関わっておりましたが、利用者様の日々のサポートに専心し、その先の就労まで手が回らないところも見かけました。
しかしこれからは他の障がい福祉サービスとの連携や、利用者さんの生産活動への積極的な働きかけが評価されるようになっているので、ぜひ「就労移行連携加算」をチェックしてみて下さい。
就労移行連携支援加算とは?

利用者の自立した日常生活に向けてサービスを提供する障がい福祉事業にとって、「就労」は一つの目標です。
ただし直接的に「就労」に結びつけるのはハードルが高いので、「就労移行支援」という就職準備をするサービスに繋げることが一般的です。
そして「就労移行連携支援加算」とはその「就労移行支援」事業所に繋いだことへの報酬です。

条件

・支給申請までに「就労移行支援」事業所との連絡調整やその他相談援助をする
・「就労移行支援」事業所に対して、これまでの支援の状況などを文章により報告する
届出

届出の必要はありません。
加算額

・1回に限り、1000単位
※ 当該利用者が就労移行支援の支給決定を受けた日の前日から起算して過去3年以内に就労移行支援の支給決定を受けていた場合は算定しない
パターン1
2019年2月 就労移行支援へ
(算定)
↓
2021年4月 就労移行支援へ
(算定できない)
パターン2
2017年1月 就労移行支援へ
(算定)
↓
2021年4月 就労移行支援へ
(算定できる)
よくある質問

「就労移行支援」事業所に対しての情報提供は電話でも大丈夫ですか?
答:文章でないといけません。日付と押印を忘れずにいたしましょう。郵送で送るのならコピーは手元に置いておいて下さい。
「就労移行支援」事業所との連絡調整やその他相談援助とは具体的に何でしょうか?
答:利用者さまが新たに「就労移行支援」の支給を受けるための申請業務に関してお手伝いすることです。「就労移行支援」事業所様を紹介することも含まれます。
同一の法人内や多機能事業所内での就労移行支援事業所への移行も対象に含まれますか?
答:含まれます。
再度の加算が禁止される「支給決定を受けた日の前日」とは具体的にどのような時期?
答:「支給決定期間の開始日の前日」のことを言います。
オススメ活用事例

就労移行支援事業を持つ多機能事業所

「就労移行連携加算」は、「就労移行支援」事業所を持つ多機能型の就労継続支援事業所にも適用されます。
それゆえに、そのように内部に「就労移行支援」も持つ多機能型事業所であれば、連絡調整や利用者さまの状況報告がずムーズにいきます。
基本報酬IIIかIVを選択した就B

令和3年の報酬改定で就労継続支援B型は、平均工賃月額に左右されない「就労・生産活用による報酬体系」(III or IV)を選択することができるようになりました。
それゆえに現場での体験と経験を積み、「就労移行支援」への近道になるでしょう。

就労継続支援の事業所は、利用者人数に応じて給付される基本報酬が収入源なので、利用者が就労して少なくなると基本報酬が減ります。
しかし「就労移行連携加算」はそうした欠けた利用者分を補填するだけの金額を超えて、その事業所の利用者それぞれの基本報酬に上乗せして算定されます。
まとめ

「就労移行連携加算」で得する事業所さま
・基本報酬IIIかIVを選択した事業所さま
