※通常放デイの「学校休業日の支援単価」の廃止のお知らせ
・令和6年度の報酬改定により、通常放デイで「学校終了後」と「休業日」の支援単価の区分がなくなりました
・重度心身障害児の支援に関しては、引き続き「休業日」独自の単価が設定されています
※注意:以下コラムでは参考のために令和6年度報酬改定以前の「学校休日の放デイ支援」の解説をいたします
最近、放課後等デイサービスの福祉事業を開業いたしました。ただ夏休みなど休日にどのようにサービスを提供すればいいのか不安です。
そこで放課後等デイサービスの学校休日の支援について教えていただけますでしょうか?
放課後等デイサービスの学校休日の支援は時間・人員・支給量・利用料など様々な面で注意が必要です。
休日支援を適切に行わないと保護者とトラブルになり、通所の辞退に発展するケースもあります。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 放デイの学校休日支援の基本がわかります
- 放デイの学校休日支援の注意点がわかります
- 放デイの学校休日支援の間違えやすい点がわかります
目次
放デイの学校休日における支援の注意点とは?
放課後等デイサービスは休日に支援することも想定された制度設計になっており、基本報酬単位も通常の日と学校休日では異なっております。
通常の授業終了後 | 学校休日 | |
単位数 | 604単位 | 721単位 |
放課後等デイサービスは学校休日支援の方が、単位も高いと知って驚きました。
ただ基本的に放課後等デイサービスの支援は変わらないと思うのですが、どのような点に注意すればトラブルを回避できるでしょうか?
放課後等デイサービスの支援内容は学校休日であれ、基本的に内容は変わりません。
ただ通常より手間がかかる上に保護者との連絡調整がどれだけスムーズかがポイントになります。
以下では具体的な例を示しつつ学校休日の放デイの支援についてわかりやすく説明いたします。
来所時間と人員配置の注意点
放課後等デイサービスの学校休日で、保護者の仕事の関係により通常よりも早く来所し、長く在所するお子様が多くなります。
<トラブル回避のチェックポイント>
・「営業時間」や「サービス提供時間」以外に子どもを受け入れていないか
・サービス提供を行い時間帯に基準人員以上のスタッフを配置しているか
・長期休暇等の時期における支援の計画を個別支援計画に記しているか
・定員を超過して子どもを受け入れていないか
※延長支援加算との関係
学校休日にご家庭の事情で営業時間外に利用者を受け入れる場合は、「延長支援加算」を取得することを検討してみましょう。スタッフの配置と延長時間数により加算額も変わってきます。
学校の休日は通常と違う対応を放課後デイサービス事業所側が行う必要があります。
特にお子さまを預かることからご家庭との連絡調整は欠かせません。
支援状況並びにお迎え時間などを適時共有できるように、連絡網を作成しておくことをお勧めいたします。
※定員超過の注意点
放課後等デイサービスの事業所ごとに決めている定員を超えて利用者を受け入れると、一定の基準を越えれば減算になり収入が減ってしまします。
支給量と利用料の注意点
放課後等デイサービスの学校休日に関して、利用回数が通常よりも多くなる可能性があり、サービス提供の支給も増加することが予測されます。
<トラブル回避の注意点>
・支給量が受給者証の支給量を超えていないか
・利用者負担額が通常より高くなることをご家族に説明しているか
・利用回数の増加に対応した支援内容を個別支援計画に記しているか
学校休日が続き長期休暇においては支給量が規定よりも超える恐れがあり自治体との相談が必要になることもあります。
利用料はご家族負担になるので事前にしっかり説明し、金銭関係のトラブルを避けましょう。金銭関係のトラブルが通所を辞める原因の一つになります。
「休日単位か平日単位か」請求の注意点
放課後等デイサービスの利用者の中に、他に児童が平日の時にその子は学校休日の可能性があるので、児童一人一人の通学状況を確認して、それぞれ請求単位を変えて請求いたしましょう。
<トラブル回避の注意点>
・児童を一律に休日扱いか平日扱いかを判断して請求しない
・特別に休日扱いの学校に児童が通っている場合、学校からの通知書を保管しておく
・通学する学校の年間休日予定表を事前に受け取っておく
特に私立に通われている児童の場合、他の公立に通う子たちと学校休日がズレることが多々あります。
その場合は学校休日の児童のみ休日単位で請求する必要があるので注意いたしましょう。
ただお子様一人でも児童を受け入れる場合は支援者が必要なので配置を省略していいわけではありません。
よくある質問
インフルエンザで学級閉鎖した場合、学校休業日として請求していいでしょうか?
答:問題ありません。
夏季休業中の登校日(※全校出校日、プール指導日)は、平日と学校休業日のどちらで請求すればいいでしょうか?
答:学校休業日の請求になります。
通信制高校の場合の平日と学校休業日はどのように判断すればいいでしょうか?
答:各々の学校に問い合わせる必要がありますが、学則に定めれていない場合は公立学校に準じます。
不登校の就学児が放課後等デイサービスを利用することは可能でしょうか?
答:可能です。請求は平日のカテゴリーになります。
まとめ
放課後等デイサービスの休日の支援の注意点が分かりました。ありがとうございます。
特に支給量と利用料の関係は説明に不十分なところがあったので注意したいと思います。
放課後等デイサービスの学校休日は、長期になり回数が増えることも予測されるので通常とは違った注意が必要になります。
各種の調整を行うにもご家族との連携が大事になりますので、日頃から支援の状況の説明など丁寧におこなっておきましょう。学校休日の支援を踏まえた個別支援計画を作成し、ご家族や市町村と協議をして準備しておくと安全です。
トラブルなく休日支援を行うことが事業所の経営の安定につながるので、ぜひ要件をしっかり守ってご活用ください。
戸根行政書士事務所からのお知らせ
※まとめ:児発・放デイの相談支援系の加算の一覧
1 事業所内相談支援加算:事業所内で個別/グループに相談援助を行う(月に1回)
2 家庭連携加算:自宅訪問をして本人/家族に相談援助を行う(月に4回)
3 関係機関連携加算:関係機関と連携して相談援助を行う(月に1回)
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