令和6年報酬改定】児発・放デイ基本報酬の支援時間設定とは?注意点と具体例を解説

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 この記事は障害福祉事業専門で、国家資格者である行政書士の戸根裕士が作成しております多数の顧問先様との仕事から得られた、実務に役立つ注意点をまとめました
 戸根行政書士事務所のプロフィールはこちらですので、よろしければ弊社の支援方針や独自の強みなどご覧ください

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 児童発達支援と放課後等デイサービスを運営していますが、令和6年度の報酬改定への対応が不安です特に基本報酬の設定方法が大きく変わり、事業所の経営面が不安定にならないか心配になっています
 そこでお尋ねしたいのですが、令和6年度の報酬改定により、児発と放デイの基本報酬を算定する上でどのようなポイントに注意すればいいか、詳しく教えていただけますでしょうか?

  令和6年度の報酬改定により児童発達支援と放課後等デイサービスの評価方法に大きな変更があり、改定する法制度に素早く対応する必要があります
 令和6年度の報酬改定のポイントを知らずにいると、知らない内に収益減になり経営が不安定になるのでご注意ください。
 この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。

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  1. 令和6年度の児発と放デイの基本報酬の設定方法がわかります
  2. 基本報酬を決める「支援時間」の設定のポイントがわかります
  3. 基本報酬を出来るだけ高くするポイントがわかります


令和6年報酬改訂】児発・放デイ基本報酬の支援時間設定とは?注意点と具体例を解説

わかりやすく説明いたします

 令和6年度の報酬改定により、児童発達支援と放課後等デイサービスの基本報酬は、利用する児童一人ごとに個別支援計画で設定する「支援時間」に応じて算定する新体系に移行いたします

基本報酬単位の新制度のポイント
・ 支援時間による区分は「30分以上1時間30分以下」「1時間30分超3時間以下」「3時間超5時間以下」の3区分になります
・放課後等デイサービスは「3時間超5時間以下」は学校休業日のみ算定できます
・ 5時間(放デイ平日は3時間)を超える長時間の支援は延長支援加算で対応します

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 令和6年度の報酬改定による、児発/放デイの基本報酬についてわかりました。
 ただ実際に児発と放デイで一人一人に「利用時間」を設定した場合、どれくらい収益の増減が変化し、その経営状況に対してどのような対策ができるでしょうか

 令和6年度の報酬改定により児発/放デイの基本報酬のルールが大きく変化し、法改正に適切に対応しないと経営状況が不安定になってしまいます
 もし基本報酬を適正に設定するポイントを間違えると、収益減になったり減算になったりするのでご注意ください
 以下では令和6年度の報酬改定による児発/放デイの基本報酬設定のポイントをわかりやすく説明いたします。

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そもそも令和6年度報酬改定で儲かるようになったのか

書類と金とペン

 令和6年度の報酬改定で児童発達支援と放課後等デイサービスの基本報酬は、個別支援計画に定める「支援時間」に応じて報酬変化いたしますが、児発は基本的に報酬が増額、他方で放デイは多くの場合報酬減になってしまいます

令和6年度以降令和5年度以前単位差
区分1(30m~1h30m)901単位885単位+16単位(≒+160円)
区分2(1h30m~3h)928単位885単位+43単位(≒+430円)
区分3(3h~5h)980単位885単位+95単位(≒+950円)
(例:児童発達支援の定員10名未就学児、センター以外、重心・医ケア以外)
令和6年度以降令和5年度以前単位差
区分1(30m~1h30m)574単位604単位-30単位(≒-160円)
区分2(1h30m~3h)609単位604単位+5単位(≒+50円)
区分3(3h~5h)666単位604単位+62単位(≒+620円)
(例:放課後等デイサービスの定員10名障害児、センター以外、重心以外)

<令和6年度報酬改定による基本報酬額の変化のポイント>
・児発で区分2の時間帯を設定できれば10名20日で運営すれば月86,000円アップです。
・放デイで区分1の時間帯しか設定できなければ10名20日で運営すれば月32,000円減です。

 放課後等デイサービスは特に平日は学校帰りとあって支援時間が長く設定できず、全員を区分1で運営すると収益減になるのでご注意ください。
 他方で児発はどの区分も収益増で、専門的支援加算の単位が減額になっても補うことが可能です
 「支援時間」をどのように設定するかで収益が大きく変わるので慎重に設定してください。

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新制度:個別支援計画の作成方法が変わります!

書類、ペン、ハート

 令和6年度の報酬改定による児童発達支援と放課後等デイサービスの個別支援計画は新しい様式(別紙1−1と別紙1ー2)に代わり、報酬改定の内容に応じた①「支援時間」の設定②5領域との関係等の明確化③延長支援加算との関係を記す必要があります

(別紙1−1個別支援計画の新様式)
(別紙1−2個別支援計画の新様式)

<①「支援時間」の設定>
・別紙1−2に曜日ごとの支援時間を設定する必要があります
 ↑ 別紙1−2に設定した時間ごとに日毎に基本報酬単位を算定できます
・利用時間に変更があれば個別支援計画も変更になります
 ↑ 支援時間が個別支援計画と乖離が1月恒常的に続いていれば見直す必要があります(令和6年3月29 日発出Q&A VOL1 問3
・サービス提供実績記録には実利用時間を記載します
送迎時間はサービス提供時間に入りません令和6年3月29 日発出Q&A VOL1 問2
例外1:利用者都合で利用時間が短くなった場合/学校延長/道路渋滞/台風等の悪天候(警報)は「上記設定時間」で報酬算定します
※例外2:事業所側の都合で利用時間が短くなった場合は「実利用時間」で報酬算定します
※例外3:30分未満は原則基本報酬を算定できませんが、市町村が認めた場合(身近に事業所がない等)や、利用者都合/学校延長/道路渋滞/悪天候(警報)の場合は可能になります(→単位は「30 m以上1h30m以下」の区分になります)。
※例外4:利用時間が長くなった場合は原則計画通りの時間で算定します。ただ利用者や学校都合で計画の変更が想定される場合は、個別支援計画に記せばその長い時間で算定できます(令和6年3月29 日発出Q&A VOL1 問3)。
※例外5:利用予定のない日の利用は「30 m以上1h30m以下」の区分で算定します。ただ別表の特記事項に利用予定のない日の対応を記せばその長い時間で算定できます(令和6年3月29 日発出Q&A VOL1 問4)。

<②5領域との関係等の明確化>
・別紙1−1の支援内容を5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)の観点から位置付けてください(※5領域全部の記載が必要です
・保育所等との併行通園や保育所等への移行等、インクルージョン推進の取組を記載する(※「移行支援」の項目が必要です
・個別支援計画のサービス担当者会議に保護者並びに児童も同席し意見を求める(※「家族支援」の項目が必要です

<③延長支援加算との関係>
・別紙1−2に曜日ごとの延長支援時間(原則1時間以上)を設定する必要があります
 ↑ 別紙1−2に設定した時間ごとに日毎に基本報酬単位を算定できます
・延長支援時間が計画より短くなった場合は実利用時間で請求いたします
・延長支援時間が原則1時間以上で、サービス提供前と後を足して1時間ではありません
 ↑ つまりサービス提供前後に延長支援をする場合はいずれも1時間以上である必要があります
・延長時間帯には職員2人以上(1人は基準必要人員で児発管でも可。)配置する必要があります
・これらの計画がない状況で延長支援加算を算定する場合は理由の記載が必要です

令和6年4月から 10 月までの取扱いについて(経過措置)
・現在利用児童は令和6年10月31日までは、上記別紙1−2に支援時間と延長支援時間を記載して保護者の同意をもらうだけで問題ありません(=上記①の対策のみでOK)
・令和6年4月30日以降の新規の利用児童は上記①から③の全てを個別支援計画に記載する必要があります

★個別支援計画作成のポイント
・基本報酬の根拠となるサービス利用時間のパターンは、想定される限り複数書きましょう
・つまり学校短縮日や利用しない日の扱いの他にも、その児童特有のパターンを可能な限り多く書いておきます

 令和6年度の報酬改定に対応するために、まず別紙1−2の支援時間等だけを設定して急いで保護者への同意等をもらいましょう。
 また基本報酬を算定する上で利用時間が計画より短くなった場合、事業所都合か利用者都合かわかるように記録を残しましょう
 延長支援加算は原則1時間以上からの利用になり、その1時間は前後の延長時間の合計ではない点に注意いたしましょう。

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「支援時間」の設定のポイント

ヘルプとハートと手

 令和6年度の報酬改定による児童発達支援と放課後等デイサービスの「支援時間」の設定は、利用する児童一人ひとりの様子を見つつ、保護者や計画相談と相談して事業所の時間設定から延長対応まで考慮して行いましょう

<ポイント1:サービス提供時間を変更するか>
・「支援時間」を長くするためにサービス提供時間の拡大するか(例:3時間超にするなど)
・「支援時間」を長くするためにサービス提供時間を前倒しする(例:午前から開始)
・ただしサービス提供時間の間は基準職員を2名確保する必要があるので忘れないようにいたしましょう

<ポイント2:送迎を合理化できるか>
・送迎の人数を増やして通所開始時間を早くし「支援時間」を長くする
・家族と相談して通所時間をずらしてもらい「支援時間」を長くする
・必ずしも直接支援職員が送迎するのではなく運転手などをパートで又はタイミーなどで探すのも良いです

<ポイント3:延長支援を行うか>
・延長支援加算は児発は5時間以上、放デイ(平日)は3時間以上の「支援時間」が前提になります
・つまり延長支援加算の算定を前提にするなら児発は区分3、放デイは区分2の設定が必要になります
・↑を設定可能にするにはサービス提供時間を後ろにずらすことが考えられます

 令和6年度の報酬改定により児発と放デイの基本報酬は「支援時間」によって増減が大きく変わるので、サービス提供時間の見直しは必須とも言えます。
 ただこうした「支援時間」等の検討都合は会社都合ではあるので、保護者や計画相談にしっかり説明し同意を得た上で実行してください
 特に延長支援加算は営業時間越えの利用者全員に算定することは必ずしも出来なくなったので、あわせて見直しが必要です。

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まとめ

いかがでしたでしょうか

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 令和6年度の報酬改定による児発と放デイの基本報酬の設定方法について詳しく分かりました。ありがとうございます。
 すぐに利用者一人ひとりの「支援時間」を検討し、令和6年度の報酬改定に適正に対応したいと思います

 令和6年度の報酬改定により児発/放デイの基本報酬は、個別支援計画で定める「支援時間」に応じて算定されることになりました
 基本的に児発は報酬アップですが、放デイは報酬減であり、加えて延長支援加算も算定が難しくなり収益ダウンの傾向です 事業所ごとのサービス提供時間と職員の配置を見直し、「支援時間」を合理化するよう対策を立てましょう
 令和6年度の報酬改定にもしっかり対応し、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。

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