★★★記事執筆者のご紹介★★★
この記事は障害福祉事業専門で、国家資格者である行政書士の戸根裕士が作成しております。多数の顧問先様との仕事から得られた、実務に役立つ注意点をまとめました。
戸根行政書士事務所のプロフィールはこちらですので、よろしければ弊社の支援方針や独自の強みなどご覧ください。
児童発達支援と放課後等デイサービスを運営していますが、令和6年度の報酬改定への対応が不安です。特に個別支援計画の作成方法が抜本的に変わりましたが、作成ポイントがわかりにくく心配になっています。
そこでお尋ねしたいのですが、令和6年度の児発と放デイの個別支援計画を作成する上でどのようなポイントに注意すればいいか、詳しく教えていただけますでしょうか?
令和6年度の報酬改定により児発と放デイ個別支援計画の作成方法は、専門性がより求められる形態になりました。
もし新・個別支援計画の作成方法の要点を間違えていると、実地指導の時に基本報酬の返礼や個別支援計画未作成減算の指摘の可能性があります。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 令和6年度の児発と放デイの個別支援計画の作成方法がわかります
- 5領域の対応やインクルージョン支援の記載ポイントがわかります
- 個別支援計画作成のために今から出来るポイントがわかります
目次
【令和6年報酬改定】児発/放デイの新・個別支援計画の書き方を徹底解説!
令和6年5月17日に児発・放デイの新しい個別支援計画の作成方法に関して、こども家庭庁が示す新しい基準が発表されたので要確認が必要です。
<こども家庭庁が示す「新しい個別支援計画の作成基準」とは>
・別紙1の「具体的な支援内容」に5領域全てを関連付ける
⇨本コラムで扱います
・別紙1の「具体的な支援内容」に家族支援やインクルージョン支援を入れます
⇨本コラムで扱います
・別紙2にサービス提供時間や延長支援時間を設定いたします
⇨こちらの詳細なコラムをご覧ください
※別紙1「具体的な支援内容」作成の注意点
・「本人支援」/「家族支援」/「移行支援」の3つのカテゴリーは必ず記載してください
・状況によって「地域支援・地域連携」というカテゴリーを追加してください
・「本人支援」のカテゴリーの中に5領域支援を入れます
・他の児童と同一の内容にしないでください
・同じ児童でも長期間、同じ内容にしないでください
令和6年度の児発/放デイの個別支援計画の作成方法についてわかりました。
ただ実際に令和6年度の新しい基準で個別支援計画を作成する場合、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか
令和6年度の報酬改定は児発/放デイの専門性をより深める方向で調整されています。
そこで大事なのは、個別支援計画を様々な支援角度から整理して作成することです。
以下では令和6年度の報酬改定以降の、児発/放デイの個別支援計画の作成方法をわかりやすく説明いたします。
「本人支援」「家族支援」「移行支援」の書き方とは
令和6年度報酬改定以降の児発/放デイの個別支援計画の作成は、「具体的な支援内容等」の中の「本人支援」/「家族支援」/「移行支援」というカテゴリーごとに、いかにこども家庭庁が示す基準の通り、しっかりと内容を埋めていくかが大切になります。
<「本人支援」の記載のポイント>
・5領域全てに関連付けて記載いたします
・ただし5領域に対応する5つの欄を設けて記入する必要はありません
・並行利用している場合は役割分担を記します
<「家族支援」の記載例>
・こどもの発達状況や特性の理解に向けた相談援助、講座やペアレントトレーニングの実施(「家族支援加算」と対応)
・子育てに関する悩みの相談援助
・レスパイトや就労等の預かりニーズに対応するための支援(「子育てサポート加算」と対応)
・保護者同士の交流の場や機会の提供
・兄弟への相談援助等の支援
・子育てや障害等に関する情報提供(「家族支援加算」と対応)
<「移行支援」の記載例>
・保育所等への移行に向けた移行先との調整や情報共有、受け入れ体制づくり(「関係機関連携加算」と対応)
・将来的な移行を見据えた支援
・進路や移行先の選択に関する本人や家族への相談援助(「家族支援加算」と対応)
・並行利用先との支援内容の連携に関する相談の取り組み
・地域の保育所等や子育て支援サークル、地域住民との交流支援
こども家庭庁が以前に発表した資料では、5領域全部の記載を明記していなかったので注意が必要です。
うっかり見逃してしまうポイントは「移行支援」の記載なので、保育所等への移行が現実的でなくても、せめて地域住民等との交流は設定いたしましょう。
また「家族支援」は家族支援加算などの取得要件とも関係するので、算定できる加算を整理してから記入してください。
今からできること:アセスメントとモニタリング力の強化
令和6年報酬改定で児発と放デイの個別支援計画は従来と比べて「高い専門性」を求められるようになったので、児童の意向や家族の想いを考慮して綿密なアセスメントができるか、そして詳細な経過観察によるモニタリング実施が可能かが重要になってきます。
<個別支援計画の専門性を高めるポイント>
・専門的な資格を取得する(強度行動障害支援者養成研修を取れば「個別サポート加算(I)」や「強度行動障害児支援加算」を取れる可能性があります)。
・地域で指導的な立場の主任相談支援専門員に相談する
・個別支援計画作成サポートソフトを利用する(AIセラピストco-miiなど)
令和6年度以降の児発/放デイの個別支援計画は、あやふやなアセスメントをベースにしていると上手に書けないレベルになりました。
モニタリングを適正に行うにせよ、専門的な観察眼がこれまで以上に求められます。
研修をするか、外部に支援を求めるか事業所ごとに判断いたしましょう。
まとめ
令和6年度の報酬改定による児発と放デイの個別支援計画の作成方法について詳しく分かりました。ありがとうございます。
障害児支援の専門性を充実させたサービス提供体制を整えたいと思います。
令和6年度の報酬改定により児発/放デイの個別支援計画は、より専門性が求められる高度な形態になりました。
「本人支援」から「家族支援」まで渡り、更に「移行支援」も視野に入れる必要があるなど、個別支援計画作成だけで多くの時間が取られるでしょう。 そのためにも保育士や児童指導員等の支援力向上は必須で、処遇改善の職場環境等改善の要件と関連付けて、専門性の高い体制を整えてください。
令和6年度の報酬改定にもしっかり対応し、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。
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