
就労継続支援A型の事業所を経営しております。基本報酬単位を上げるためにスコア表の見直しを行なっております。
ただスコア表の(II)「生産活動」のカテゴリーは計算の仕方で不安な点があります。
スコア表(II)の「生産活動」の計算方法の注意点など教えてもらえるでしょうか?
スコア(II)は事業所側の体制改善というよりは、日々の生産活動でどれだけ売り上げがあるかがポイントです。
利用者への賃金を生産活動の売上からではなく、国保連からの給付金で払っていると実地指導の時にトラブルになりやすいです。
この記事では就労継続支援A型の事業者様の理解の一助になるように以下のような内容がわかるように説明いたします。
- スコア表(II)「生産活動」の計算方法がわかります
- スコア表(II)「生産活動」の各々の根拠資料がわかります
- スコア表(II)「生産活動」の間違えやすい点がわかります
目次
スコア表の解説!「生産活動」の要件と根拠資料は?

労継続支援A型の基本報酬単位はスコア表の(I)から(V)合計点で決まり、スコア表(II)「生産活動」は前年度及び前前年度の「生産活動収支」が利用者への賃金総額以上であるかどうかでポイントが加算されます。
(番号) | 前年度 | 前前年度 | スコア点 |
① | ○ | ○ | 40 |
② | ○ | × | 25 |
③ | × | ○ | 20 |
④ | × | × | 5 |
<「生産活動収支」とは>
利用者が行う生産活動に係る事業の収入(=売上)から、その生産活動に係る事業経費を控除した額のことを言います。
※つまり国保連からの給付金で賃金を支払ってはいけないということです。
就労継続支援A型のスコア表(II)「生産活動」の仕組みを教えていただきありがとうございます。
ただ「生産活動収支」の計算の仕方や年度の認定について分からないところもあるので、そのスコア表(II)の計算方法や根拠資料を詳しく教えてもらえるでしょうか?
「生産活動収支」が賃金以上になることは就Aの基本であり、近年自治体からもその基準を守ようプレッシャーが高まってきています。
スコア(II)は会計に関する事項でもあり、根拠資料の保存を忘れていると自治体との間でトラブルになります。
それでは就労継続支援A型のスコア表(II)取得の注意点についてしっかり説明したいと思います。
「生産活動収支」の計算の注意点

就労継続支援A型のスコア(II)「生産活動」は、事業所の「生産活動収支」の総額と賃金の比較で算定しますが、その「生産活動収支」の計算方法に様々な留意点があることにご注意ください。
<会計年度と事業年度が異なる場合について>
会計年度の終了日が3月31日と異なる場合は、その終了日がある直近の会計年度を前年度としてスコアを算定いたします。
例:9月末が会計年度の修了日なら令和5年度のスコアは、令和4年9月を終了とする会計年度を前年度として判定
<新設の就A事業所の取り扱いについて>
2年度目のスコア判定に際して昨年度の実績のみで評価いたします。つまり上記の表で言う②か③かどちらかになります。
※令和4年度届出の特例:新型コロナウイルスの感染の影響による評価方法の変更
令和3年度の生産活動のスコアの算出にあたって、前年度を「令和元年」、前前年度を「平成30年度」にして比較し、評価することが可能です。
※ スコア(II)「生産活動」を証明する資料とは?
・前年度における生産活動収支及び利用者への賃金支払い総額が確認できる賃金台帳
・就労支援事業事業活動計算書
・就労支援事業事業活動内訳表
「生産活動収支」の計算はコロナ禍などその年度の情勢次第で特例措置が出される可能性があるのでご注意ください。
また就労継続支援の事業を実施している会社は、就労支援事業活動計算書という会計基準を守る必要があるので日頃から整備いたしましょう。
利用者への賃金支払いの計算はスコア(I)にも関係してくるので正確に行うことがポイントです。
よくある質問

雇用契約を結ばない利用者も受け入れていますが、その利用者による売上や支出はスコアの計算に入れますか?
答:雇用契約を結ばない利用者の売上やその人件費もスコアの計算に入れます。
まとめ

本日は就労継続支援A型のスコア表(II)「生産活動」の要点をご説明いただきありがとうございました。勉強になりました。
根拠資料を揃えつつ、できる限り高いポイントを獲得できるよう、来年度のスコア表の準備をしていきたいと思います。
就Aのスコア表(II)「生産活動」のカテゴリーは、基本的には前年度も前々年度も「生産活動収支>賃金総額」になっていることが理想です。
数年間、生産活動収支より支払賃金総額が多くなっていると自治体から経営改善計画を書くよう指導が入ったり大事になるので注意が必要です。
基本となる「生産活動収支>賃金総額」を満たしていればスコア40点は確かなので、得点が取れるよう生産活動に力を入れましょう。










