
就労継続支援A型の事業所を経営しております。基本報酬単位を上げるためにスコア表の見直しを行なっております。
スコア表の(V)「地域連携活動」は簡単そうに見えるので、取得してスコアのポイントを稼ぎたいと考えております。
スコア表の「地域連携活動」のカテゴリーの要件や注意点など教えてもらえるでしょうか?
就労継続支援A型の事業所の収益アップには、スコア表で高いポイントを取り基本報酬単位を上げることが有益です。
ただしスコア表の単位を上げるために、不注意にスコアをつけていくと実地指導の時にトラブルになりやすいです。
この記事では就労継続支援A型の事業者様の理解の一助になるように以下のような内容がわかるように説明いたします。
- スコア表(V)「地域連携活動」の取得要件がわかります
- スコア表(V)「地域連携活動」の根拠資料がわかります
- スコア表(V)「地域連携活動」の間違えやすい点がわかります
スコア表の解説!「支援力の向上」の要件と根拠資料は?

労継続支援A型の基本報酬単位はスコア表の(I)から(V)合計点で決まり、スコア表(V)「地域連携活動」は就Aの事業所が地域連携活動を行えば10ポイントを獲得できます。
<地域連携活動とは>
就労継続支援A型事業所の生産活動収入の発生に係るものを前提として、3ヶ月以上継続的に実施されているもの
(例) | (地域連携活動の内容) |
① | 山間部の高齢者へ、食料品や生活用品を宅配する事業を実施し、定期的に見守り支援を行う |
② | 公営施設や観光施設との請負契約により清掃活動を行い、販売拠点を設置して集客アップをする |
③ | 過疎地域の農業に参入し、地元の農作物を使った加工品を販売する |
④ | 地元の中小企業からウェブサイト作成やデータ登録業務を受託する |
⑤ | 人材不足の企業と協力し、障がい者が働ける場所と作業を作る |
※地域連携活動の範囲とは?
就労継続支援A型の利用者が日常的に生活する地域の圏内のことをいいます。特定の範囲は定められていません。他府県でも問題ない場合があります。
就労継続支援A型のスコア表(V)「地域連携活動」の仕組みを教えていただきありがとうございます。
ただ「地域連携活動」を行うとしても、そのスコア表(V)の各カテゴリーの取得条件や根拠資料を詳しく教えてもらえるでしょうか?
スコア表(V)は一見すると取得しやすいと思われていて、気軽に選んでスコアの表を稼ぎ、基本報酬単位を上げている事業所も見聞きいたします。
ただ要件や根拠資料の保存を揃えていないと、自治体との間でトラブルになります。
それでは就労継続支援A型のスコア表(V)取得の注意点についてしっかり説明したいと思います。
条件1:報告書の作成

スコア表(V)「地域連携活動」のスコアを取得するには、就労継続支援A型が地域の企業や自治体と連携して活動をしたという報告書を作成する必要があります。
※ 報告書は以下の様式1という規定の書式を用いるのが一般的です。

<報告書を作る際の注意点>
・地域連携活動は生産活動の収入の発生に係る活動に限定されます
・地域連携活動は3ヶ月以上継続して実施されているものに限ります
・地域連携をしても事業所内に持ち帰った作業では算定できません
・生産活動の向上に関係するように<目的><成果>を記しましょう
・今後の生産活動の向上を想定して<意見または評価>を記しましょう
・年度ごとに新しい活動を行いましょう(去年度と同一の内容は不可)。
※ 「地域連携活動」を証明する資料とは?
・ 地域の企業と協力した商品開発を証明する契約書等
・ 企業や官公庁での生産活動等を行っていることを証明できる契約書等
・ 地域連携活動をしている様子がわかる写真
就労継続支援A型事業所が「地域連携活動」を実施したつもりでも、3ヶ月以上の継続がなかったというミスがあるので注意致しましょう。
報告書の書き方が分からない時は、インターネット上で他の事業所が報告書をアップしているので参考にしてください。
報告書の内容を裏付ける契約書等はしっかり保存しておきましょう。
<スコア(V)取得をお勧めする事業所>
・施設外就労を実施している事業所
:地域の就労先の事業所と協力して作業を作り出している可能性が高いです
・食料品を生産している事業所
:公共施設等で販売できる可能性が高いです
条件2:インターネットその他による公表

就労継続支援A型事業所がスコア(V)「地域連携活動」のポイントを取得するには、上記で説明した報告書(様式1)をインターネットその他の方法により公表する必要があります。
※ 一般的には自社のホームページで公表されています
<インターネットで公表する上での注意点>
・毎年度4月中に公表する
・スコア表も合わせて公表する
・過去の公開資料も掲載し続ける
・テキストデータの変換、展示資料や読み仮名付き資料の作成にも対応する
※ 研修や学会又は学会誌等での発表の根拠資料とは?
・ 地域連携活動の実施結果をまとめた資料を掲載したホームページ情報
・ 連携先の企業や住民の取組みにかかる評価のコメント等をまとめた資料を掲載したホームページ情報
スコア(V)「地域連携活動」のポイントを狙う事業所は、開業すぐでもホームページを準備し、報告書を公表できる体制を整えましょう 。
注意点としては、合わせてスコア表も公表することを忘れないように致しましょう。
公表のデータとしてはPDFでも画像データでも問題ありません。
※インターネット以外の公表方法とは?
・市町村等が発行する情報誌への掲載
・就労継続支援A型事業所及び関係機関等での掲示
まとめ

本日は就労継続支援A型のスコア表(V)「地域連携活動」の要点をご説明いただきありがとうございました。勉強になりました。
根拠資料を揃えつつ、できる限り高いポイントを獲得できるよう、来年度のスコア表の準備をしていきたいと思います。
就Aのスコア表(V)「地域連携活動」のポイントの取得は3ヶ月以上の継続を必要とするので、事前に計画を立ててしっかりと準備しておく必要があります。
すでに施設外就労を実施して障がい者が働く作業や環境を作っている事業所は、ポイント獲得に向けて有利なので積極的にスコア(V)の取得を検討いたしましょう。
忘れやすいのが報告書作成に必要な写真撮影ですので、支援を行っている際にご注意ください。










