★★★記事執筆者のご紹介★★★
この記事は障害福祉事業専門で、国家資格者である行政書士の戸根裕士が作成しております。多数の顧問先様との仕事から得られた、実務に役立つ注意点をまとめました。
戸根行政書士事務所のプロフィールはこちらですので、よろしければ弊社の支援方針や独自の強みなどご覧ください。
児童発達支援と放課後等デイサービスを運営していますが、令和6年度の報酬改定の対応で悩んでいます。特に「心理担当職員」を配置して、療育内容の専門性を高めることに関心があるのですが、職種定義や活用方法がよく分かりません。
そこでお尋ねしたいのですが、令和6年度の児発や放デイの「心理担当職員」について、運営ポイントを教えてもらえますか?
令和6年度の報酬改定の内容は、児発と放デイの療育内容の専門性を高める方向になりました。
「心理担当職員」はその定義も曖昧で、実際の現場では加算と絡めて活用することも難しいです。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 児発/放デイで「心理担当職員」を配置する概要がわかります
- 「心理担当職員」の要件のポイントと採用時の注意点がわかります
- 「心理担当職員」の加配加算等における活用方法算定がわかります
目次
【令和6年報酬改定】児発/放デイの心理担当職員とは?加配加算の要件や注意点を解説
児童発達支援や放課後等デイサービスにて「心理担当職員」を配置することで、療育で心理的なケアの側面が充実し、社会生活や集団コミュニケーションの専門性が高い体制を作ることができます。
<「心理担当職員」とは>
パターン1:公認心理士(☜これが一番確実です)
パターン2:大学又は大学院で心理学科等の修了 and 「心理療法の技術を有するかその能力がある者」
☝️以下のセクション1で詳細な解説をいたします。
※「心理担当職員」の注意点
・サービス提供時間等に従事しなければいけない基準職員にはなりません
・「児童指導員等加配加算」「専門的支援体制加算」「専門的支援実施加算」の加配職員の対象になります
☝️以下のセクション2で詳細な解説をいたします。
<「心理担当職員」の活用方法>
・児童福祉の経験がない職員でも公認心理士なら加配加算の職員には回すことができる
・児童福祉の経験が少なくても心理療法の技術があれば加配加算の職員にあてることができる
・個別支援計画の5領域の「人間関係・社会性」の領域を深めた支援計画を作ることができる
令和6年度の児発や放デイの「心理担当職員」の概要についてわかりました。
ただ心理担当職員を採用して、児発・放デイの療育で積極的に活用していくために、どのようなポイントに具体的に気をつければ良いでしょうか
令和3年度の報酬改定から児発や放デイでは、「心理担当職員」を積極的に療育の現場で活用する動きが出てきました。
ただ「心理担当職員」のローカルルールの把握と、加配加算等の活用方法はしっかり理解しておく必要があります。
以下では児発や放デイの「心理担当職員」を効率よく活用するためのポイントをわかりやすく説明いたします。
セクション1:「心理担当職員」の定義のローカルルールを理解する
令和6年度の児発と放デイで配置できる「心理担当職員」の定期は、国家資格である公認心理士だと確実ですが、それ以外の「心理担当職員」と見なす定義は、ローカルの自治体ごとによってかなり見解が異なるので要注意です。
<「心理担当職員」の間違えやすいポイント>
・類似する認定心理士はその資格だけでは基本的に認められないことが多いです
・臨床心理士の資格でも実務経験や学科卒業要件を課してくる自治体もあります
・学科卒業要件で心理学科以外は単位取得教科の認定で自治体ごとにかなり方針が違います
・資格や学科卒業があっても実務経験年数を求めてくる自治体があります
<「心理担当職員」の採用を検討する時の確認ポイント>
1:公認心理士の国家資格があるか
2:大学または大学院の学科が心理学科か
3:大学または大学院で心理学系の単位を取得しているか
4:実務経験年数は何年あるか
児発放デイの「心理担職員」の定義は、ローカルの自治体ごとでかなり異なるので、ネットの情報を安易に信用していてはトラブルになってしまいます。
似ている資格でよくある間違いは「認定心理士」を配置してしまうことであり、トラブルも多く採用前に自治体に問い合わせることは必須です。
正直なところ、公認心理士以外は確実に「心理担当職員」として認められることはないという前提で、組織づくりを行う方が無難です。
セクション2:「心理担当職員」の加配加算等の活用方法
令和6年度の児発と放デイで「心理担当職員」を加配加算等の対象に当てることは、実務経験要件を求められない点で有利でありますが、加配加算等の種類ごとに注意と戦略が必要になってきます。
<パターン1:「児童指導員等加配加算」と「専門的支援体制加算」での活用方法>
・常勤雇用は、いざという時に基準職員として活用できないので融通が効かずリスクがあります
・パート雇用を行なった場合は加配加算の種類の「常勤1」という高い単位を取れなくなります
・加配加算等が取得できなくなった場合は、収益を高める配置ができなくなります
<パターン2:「専門的支援実施加算」での活用方法>
・パート雇用をして加算算定日の一定時間に配置しておくことで効率的に活用できます
・加算職員に常勤要件がないので、常勤職員が対応したのと同じ単位を稼げます
・実施加算を算定しなくなった場合でも加配加算の対象者として回せる可能性があります
上記から「心理担当職員」を加算要員として雇用する場合は、専門的支援実施加算で活用する時が低リスクです。
特に基準職員になれないところが大きく、実務においては事業運営で必要な要件を満たす配置に使いにくい側面があります。
現実的なところではパート雇用が安全ですが、パートで国家資格者の公認心理士は見つけるのが難しいでしょう。
まとめ
令和6年度の児発や放デイの「心理担当職員」について詳しく分かりました。ありがとうございます。
「心理担当職員」を配置して心理的な療育でも専門性を発揮する、充実したサービス提供体制を整えたいと思います。
令和6年度の児発や放デイは5領域の専門的支援を行う必要があり、その一領域の「人間関係・社会性」という領域で「心理担当職員」の知見は役に立つでしょう。
ただ公認心理士以外の「心理担当職員」の要件が自治体ごとによって大きく異なるので、採用時から組織体制作りには注意してください。 また基準職員として使えないので常勤雇用はリスクがあり、パート雇用で「専門的支援実施体制加算」で活用することが無難です。
令和6年度の報酬改定にもしっかり対応し、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。
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