★★★記事執筆者のご紹介★★★
この記事は障害福祉事業専門で、国家資格者である行政書士の戸根裕士が作成しております。多数の顧問先様との仕事から得られた、実務に役立つ注意点をまとめました。
戸根行政書士事務所のプロフィールはこちらですので、よろしければ弊社の支援方針や独自の強みなどご覧ください。
就労継続支援A型事業所を運営していますが、令和6年に社会保険の適用対象者が拡大すると聞きました。従業員に加えて、雇用契約を結ぶ就A利用者も社保適用だと費用負担増が心配です。
そこでお尋ねしたいのですが、令和6年の社会保険の適用対象者の拡大により、就労継続支援A型はどのような点に注意すれば良いか詳しく教えていただけますでしょうか?
社会保険の適用対象者が拡大することは、労働者の保護が一層進むことを意味しますが、他方で会社側は社会保険料の負担が増額いたします。
もし社会保険拡大の条件を理解せずにいると、就労継続支援A型の利用者も含む対象者拡大で、保険料の負担が大きくなる可能性があります。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 令和6年の社保適用拡大の対象事業所がわかります
- 他店舗展開をする時の同一法人実施の上限がわかります
- 社保適用の拡大に関する誤解がわかります
目次
【令和6年】就労継続支援A型:社会保障適用拡大の注意点とは?今後の事業戦略を解説
令和6年度に社会保険の対象者が拡大されることが決まり、その結果、法改正の影響を受けて、社保加入が増える(=社会保険料の会社負担額増)の就労継続支援A型事業者が多くなったことにご注意ください。
令和6年度の社会保険適用が拡大する概要についてわかりました。
令和6年度の社保対象者の拡大により、就労継続支援A型の実施会社はどのような対応をしていけばよろしいでしょうか?
就労継続支援A型の利用者は週20時間以上の勤務の場合が多いので、一見すると新制度の社保適用対象に見えるかもしれません。
もしこのように誤った理解を持っていれば、事業拡大をためらう可能性も出てくるので、正確な理解が必要です。
以下では社会保険適用拡大に関する就労継続支援A型の注意点と戦略をわかりやすく説明いたします。
注目:大規模事業者以外、対象ではありません
令和6年度の社会保険対象者の拡大の条件である「51人以上」とは、常勤職員の3/4を勤務する職員の数であり、通常の20hの利用者はカウントされないので、大規模事業者以外は殆ど影響がないと言えます。
<対象者「20時間以上」について>
・確かに就Aの利用者は週20時間以上の勤務が多いので対象になり得ますが、それは週30h以上の職員が51名以上いる場合のみです。
・つまり週30h以上の職員が51人もいなければ、就A利用者は対象になることはありません
週20時間以上が社保対象と聞くと、就A利用者の加入が想像できますが、現実的に30h以上が51人以上いる大規模事業者以外は関係がありません。
もちろん就A利用者も30h以上の勤務をする場合が多ければ、社保適用拡大の対象になる可能性があります。
一般的に「51人以上」の基準は、事業所の従業員の数に注意をいただいていれば問題ありません。
今後の就労継続支援A型運営と社保拡大について
令和6年度に社会保険の適用対象が拡大されましたが、就労継続支援A型の事業拡大はその条件である「週30h以上が51人以上」を基準にして、同一法人では9店舗程度を目安にしていれば確かです。
<社会保険の適用拡大における就労継続支援A型の戦略>
・同一法人では9店舗程度の事業所運営
・パート職員を多めに活用する
・利用者の労働時間も週30h未満を目安にして管理する
社会保険の適用拡大により、就労継続支援A型事業は同一法人で無限に拡大していくことが不利になりました。
社保負担の増大を考慮すれば9店舗運営が安全で、それ以上になる可能性があればMAなどをご検討ください。
また今後も政府の方針で社保適用拡大のハードルがますます下がってくるかもしれないので、リスク管理が大切になります。
まとめ
令和6年度の社保適用の拡大と、就労継続支援A型の事業経営について詳しく分かりました。ありがとうございます。
社保適用のハードルを意識しつつ、人材採用と事業拡大の戦略を再検討いたします。
週20時間以上は社保適用という文字を見れば、利用者も対象となり社保負担の増大ということで不安に思う方も少なくありません。
ただ現実的には常勤3/4以上の方が51人以上という条件なので、大規模事業以外は関係がないのです。 ただ今後、就労継続支援A型の店舗を増やされていく時は、社保負担の増大を基準にすると9店舗ぐらいが目安になってきます。
しっかりと令和6年度の社保負担増を見据えた、A型事業所の事業経営を行い、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。
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