
障害福祉事業は、どこで開業すべきでしょうか?
とりあえず地元の不動産会社に伺って、薦められるがままに物件を選ばれたパターンをよくお見かけいたしました。
しかし熟慮して物件を選ばないと、想定外の出費の可能性があり、最悪の場合は指定を受けることができず、更に指定を受けても利用者が来ないことがあり得ます。
これまで多くの障がい福祉事業所のサポートをする中で、あまり考えず場所を決めて後悔する方々を度々お見かけしてきました。
そこでそのように失敗しないために本日は障がい福祉事業の開業場所についてお話しいたします。
障がい福祉事業はどこで開業すべきか?

建物の建築状況

こちらは建築基準法上のポイントです。
もし200㎡以上あると「用途変更の手続き」が必要になり、手続きの費用と時間がかなり増えます。
もし賃貸などの場合、時折その「建築確認済証」がないことがありますが、そうすると指定申請手続きは難航いたします。
「建築確認済証」がないということは、その建物の安全性が確認されているとは証明されておらず、行政による給付の対象事業として相応しくないと考えられるからです。
消防設備の状態

障がい福祉事業に必要な消防設備を整えておく必要があります。
対象物件の使用面積と、開業する障がい福祉サービスを踏まえて、詳しくは次の記事をご覧ください。
このように面積と障がい福祉サービスごとに必要な消防設備を整えて、地域の消防署に「防火対象物使用開始届」を提出する準備に入ります。
その時に、管轄消防署員の方が調査して、消防の設備が設置されているかの確認をしてもらわないといけません。
特に次のような場合に、追加の消防設備を要求され高額な出費につながりやすいです。
・定員、隣地との距離、窓の厚さが通常以上
・戸建てでの開業で、地下や3階以上を使用する場合
物件の立地

障がい福祉事業の開業予定地が、次のポイントに引っかかっていないか確認してください。
・土砂災害警戒区域にあるかどうか
・洪水浸水想定区域にあるかどうか
・津波浸水想定区域にあるかどうか
建物の耐震状況

障がい福祉事業の開業予定の建物が、耐震化されているかどうかですが、次の条件に注意してください。
昭和56年5月以前だと「耐震診断の実施状況」を確認する必要があります。
それ以前の時期にはこうした耐震補強が義務付けられていなかったので、このような古い物件だと、改めて耐震診断する必要があり、時間とお金が更にかかります。
アスベストの使用状況

こちらも同じく、開業予定建物の「新築工事着工時期」をご確認ください。
それ以前であるとアスベストの使用実態を確認する必要があります。
ブロック塀があるか

開業予定の建物に「ブロック塀」があるかどうか、もしブロック塀があれば次のポイントをチェックしてください。
・塀の高さは地盤から2.2m以下か
・塀の厚さは10cm以上か
・控え壁はあるか(塀の高さが1.2m超の場合)
・コンクリートの基礎があるか
・塀に傾きやひび割れはないか
もし危険なブロック兵を放置していた場合、それで他者に危害を加えれば損害賠償責任を負う可能性があります。
まとめ
・「建築確認済証」が保存されているか
・障がい福祉事業に必要な消防設備を整えているか
・開業予定地が都市条例等に則しているか
・昭和56年5月以前に建築されたかどうか
・平成18年9月1日以後に新築されたか
