★★★記事執筆者のご紹介★★★
この記事は障害福祉事業専門で、国家資格者である行政書士の戸根裕士が作成しております。多数の顧問先様との仕事から得られた、実務に役立つ注意点をまとめました。
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障害者グループホームを運営していますが、令和6年度の報酬改定の加算の見直しが不安です。特に「重度障害者支援加算」が複雑で、取得要件がわかりにくく心配になっています。
そこでお尋ねしたいのですが、令和6年度の報酬改定の障害者グループホームの「重度障害者支援加算」を算定する上でどのようなポイントに注意すればいいか、詳しく教えていただけますでしょうか?
障害者グループホームの「重度障害者支援加算」は、極めて重度の障害者又は強度行動障害者に対する重点的な支援強化のための加算です。
ただし人員配置の基準や研修修了者の割合の計算をしっかり理解していないと、実地指導でトラブルになるので注意が必要です。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 令和6年度に改定された「重度障害者支援加算」がわかります
- 「重度障害者支援加算」の人員配置要件の計算方法がわかります
- 「重度障害者支援加算」の活用方法がわかります
目次
【令和6年報酬改定】GH 「重度障害者支援加算」とは?要件や活用を解説
令和6年度の報酬改定により改定された「重度障害者支援加算」とは、区分6の重心障害者又は区分4以上の強度行動障害者に対して、一定の割合以上の研修を修了した生活支援員を加配した事業所が対象になります。
(種類) | (単位) | (対象者) |
重度障害者支援加算(I) | 300単位/日 →月90,000円増/月 | 区分6の重度障害者 →意思疎通困難な方/最重度の知的障害/人工呼吸着用者など |
重度障害者支援加算(II) | 180単位/月 →月54,000円増/月 | 区分4以上の強度行動障害者(行動関連項目が10点以上) |
<条件1:生活支援員の追加配置>
常勤換算方法で基準を超える生活支援員を配置する必要があります。
例)区分6が2人、区分5が2人
指定基準で必要な生活支援員数→ 1.3人 (0.8 [2÷2.5]=区分6 + 0.5 [2÷4]=区分5)
☞この場合1.4人以上の生活支援員を配置すれば加算の算定できます。
<条件2:サビ管又は生活支援員の1人以上が上級研修の修了者>
サビ管又は生活支援員の内、1人以上が以下の上級の研修を修了している必要があります。
・強度行動障害者支援者養成研修(実践研修)
・行動援護従事者養成研修
・喀痰吸引等研修(第二号)
☞強度行動障害の方の支援に関しては支援計画シート等の作成が必要になります
<条件3:生活支援員の20%以上が研修の修了者>
生活支援員の内、20%以上(※頭数です)が以下の研修を修了している必要があります。
・強度行動障害者支援者養成研修(基礎研修)
・重度訪問介護従事者養成研(行動障害支援課)
・行動援護従事者養成研修
☞生活支援員が12人なら20%は2.4人、つまり3人以上必要ということです。
※注意点①:条件2と条件3の従事者の兼務について
生活支援員と世話人を兼務している方は生活支援員としてカウントすることができます。
※注意点②:行動障害者の支援の追加対応について
強度行動障害の状態をアセスメントして支援計画シートを作成し、その支援計画シートに基づき支援いたします。
令和6年度の報酬改定により改定された「重度障害者支援加算」についてわかりました。
ただ「重度障害者支援加算」の条件が複雑で活用法がわからないので、「重度障害者支援加算」を上手に使う方法とパターンなどを教えてもらえますか?
「重度障害者支援加算」は、令和3年度の報酬改定以降、区分4の強度行動障害者も対象となり使いやすい加算になりました。
「重度障害者支援加算」のを活用するために大事なのは、人員配置要件をしっかり守ることと、組み合わせで算定できる加算を理解することです。
以下では令和6年度の報酬改定による「重度障害者支援加算」の算定ポイントをわかりやすく説明いたします。
注意点:加算の人員配置基準を守るための調整について
令和6年報酬改定に改定された「重度障害者支援加算」は、①サビ管又は生活支援員の1人以上が上級の研修修了者、②生活支援員の実人数の20%以上が一般研修修了者であるという基本ルールを守るために、生活支援員の数を調整することが大切です。
<ポイント:生活支援員の数の調整>
・世話人と生活支援員を兼務している場合が多いので雇用形態を相談します
・つまり生活支援員に資格者の割合が少なければ、世話人専従で働いてもらうよう交渉します
・20%以上で推移している場合は新規従業員は世話人専従に回します
・世話人数を調整している間に従業員に研修を受講してもらいます
「重度障害者支援加算」は生活支援員の人数割合が算定可否のラインになるため、生活支援員をどのようにコントロールするかが大切です
生活支援員兼務を世話人専従に配置転換する場合は雇用契約を見直し、適時変更いたしましょう。
その他にも生活支援員の資格者割合を増やすためになので、強度行動障害基礎研修は2日程度なので受講を勧めましょう。
活用事例:強度行動障害者体験利用加算との組み合わせ
障害者グループホームで算定できる「重度障害者支援加算」は、研修者配置の条件が同じである「強度行動障害者体験利用加算」と組み合わせることにより、体験時からも重度の障害者に対して加算を算定することができるようになります。
(種類) | (単位) | (条件) |
強度行動障害者体験利用加算 | 400単位/日 →月12万円増 | ・サビ管又は生活支援員が強度行動障害研修(実践)修了 ・生活支援員の20%以上が強度行動障害研修(基礎)修了 |
※「強度行動障害者体験利用加算」の届出の注意点
「強度行動障害者体験利用加算」も指定権者への届出が必要なので、「重度障害者支援加算」と同時に申請することを忘れないようにいたしましょう。対象者が具体的にいなくても算定できる場合があるので指定権者と相談してみてください。
「強度行動障害者体験利用加算」を算定していると、体験時にも重度障害者支援の追加報酬がもらえます
「重度障害者支援加算」と加算条件が殆ど同じなので多くの場合は同時に届出することが可能になります。
強度行動障害者の支援には実際の人数が必要なので加算の撮り忘れがないかご注意ください。
まとめ
令和6年度の報酬改定による「重度障害者支援加算」について詳しく分かりました。ありがとうございます。
改定された「重度障害者支援加算」を算定するために人員配置の見直しをしっかりしたいと思います。
令和3年度より重度障害者の支援の加算対象が広がり、「重度障害者支援加算」は強度行動障害者に対する支援も含むようになりました。
「重度障害者支援加算」の加算額は1人あたり5.4万円から9万円ほど見込めるので、7人定員の事業所は多くの収益増が見込めます。 ただ重度の障害者や強度行動障害者の支援は本当にスタッフの日人数が必要で、加算額もしくはそれ以上の金額が人件費に消えてしまうことが多い点にご留意ください。
令和6年度の報酬改定にもしっかり対応し、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。
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