【GH】「精神障害者地域移行特別加算」とは？よくある間違いや活用法を解説

2023.9.3
加算, 運営支援

　障害者グループホームを運営していますが、病院から退院して来られる利用者さんが多いです。そこで「精神障害者地域移行特別加算」があると知りましたが、要件や算定方法がよくわかりません。
　お尋ねしたいのですが、「精神障害者地域移行特別加算」を算定する上での注意点やオススメの活用法を詳しく教えていただけますでしょうか？

　「精神障害者地域移行特別加算」は、病院から退院の多い重度の利用者さんが多い事業所で活用できて収益アップになります。
　ただ「精神障害者地域移行特別加算」を算定するための計算方法での間違いや根拠書類の紛失などが散見されリスクがあります。
　この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。

障害者GHの「精神障害者地域移行特別加算」の要件がわかります
「精神障害者地域移行特別加算」を取得する注意点がわかります
「精神障害者地域移行特別加算」のオススメ活用法がわかります

1 「精神障害者地域移行特別加算」とは？よくある間違いや活用法を解説
- 1.1 よく間違えるポイント
- 1.2 オススメ活用事例
2 まとめ
- 2.1 戸根行政書士事務所からのお知らせ

「精神障害者地域移行特別加算」とは？よくある間違いや活用法を解説

　障害者グループホームで活用できる「精神障害者地域移行特別加算」とは、精神病院に入院した方に対して、有資格者が相談援助や個別支援を行なった場合に算定できます。

＜「精神障害者地域移行特別加算」の注意点＞
・加算の対象者は精神病院に１年以上入院していた方です。
・加算の算定に必要な「有資格者」とは精神保健福祉士／公認心理師等です

(加算名)	(単位)
「精神障害者地域移行特別加算」	３００単位／日(≒3000円)

　障害者グループホームで算定できる「精神障害者地域移行特別加算」の概略についてわかりました。
　ただ実際に「精神障害者地域移行特別加算」を算定する上でどのようなポイントに注意し、どのように活用していくのがオススメか教えてもらえるでしょうか？

　「精神障害者地域移行特別加算」の算定は簡単なようで頻繁にミスも起こり、実地指導の時に返金になったと仄聞いたします。
　加算が算定できる期間も有資格者の人員配置も確認し忘れがちなので注意いたしましょう。
　以下では更に「精神障害者地域移行特別加算」を算定する上での注意点やオススメ活用法をわかりやすく説明いたします。

よく間違えるポイント

　障害者グループホームで「精神障害者地域移行特別加算」を算定するときに、よく間違えるポイントとして加算対象者の未確認や支援内容の記録の不備が挙げられます。

＜間違え１：加算対象者について＞
・退院日から１年以内しか算定できない
・退院直後から算定しなくて期間が経っても算定できる（※ただし退院日から１年以内）

＜間違え２：支援内容の記録について＞
・精神病院との日常的な連携の記録
・加算対象利用者との定期的なまたは随時の面談
・日中活動の選択や利用、そして定着に関する支援

　グループホームで使える「精神障害者地域移行特別加算」を、退院後１年経っても算定している場合は返金になるので注意いたしましょう。
　退院期間を間違えないように、退院日を証明する資料を病院から発行してもらい加算の根拠といたしましょう。
　また特別に「精神障害者地域移行特別加算」用に記録の整理も必要なので、一般的な支援記録とは別に管理いたしましょう。

オススメ活用事例

　障害者グループホームで活用できる「精神障害者地域移行特別加算」の使い方としては、有資格者のケアを必要とする要配慮者を受け入れる体制づくりを可能にいたします。

＜要配慮者を受け入れる体制づくり＞
・出所者に対して有資格者を必要とする「地域生活移行個別支援特別加算」を算定できます
・有資格者が多いので「福祉専門職員配置等加算」のIもしくはIIを算定できる可能性が高くなります
・「福祉専門職員配置等加算」を取得できるので「特定処遇改善加算」を算定できます

　障害者グループホームで「精神障害者地域移行特別加算」を算定できるポイントは、有資格者を配置できる事業所になれるという点です。
　有資格者の求人は難しいかもしれませんが、雇用できると他の加算を算定できて収入面でも充実した経営体制につながる可能性が高くなります。
　将来のケア充実体制を見据えて、既存の従業員を有資格者にするようキャリアアップの支援体制を整えることも大切です。

まとめ

　障害者GHで算定できる「精神障害者地域移行特別加算」について詳しく分かりました。ありがとうございます。
　加算の算定期間の数え方を整理して、根拠書類を整えていきたいと思います。

　「精神障害者地域移行特別加算」は加算額が１日３０００円と大きいので、事業所の収入改善に良い影響を与えます。
　また有資格者が退職した後も、取り下げの届出をせずに加算を算定し続けることもあるので注意いたしましょう。また「精神障害者地域移行特別加算」を算定できる有資格者がいれば、他の加算も取得できる可能性があり収益アップの道が作れます。
　しっかりと「精神障害者地域移行特別加算」の算定要件を守り活用していくことで、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。