【GH】「自立生活支援加算」とは？注意点やオススメ活用法を解説

2023.10.9
加算, 運営支援

　障害者グループホームを運営していますが、利用者さんの退去が続いて事務負担が重いです。そこで退去手続き等の相談を行えば「自立生活支援加算」という加算を取得できると知りましたが、具体的な算定方法がよくわかりません。
　お尋ねしたいのですが、障がい者グループホームの「自立生活支援加算」を活用する上での注意点やオススメの活用法を詳しく教えていただけますでしょうか？

　障がい者グループホームの退去支援に関して主要な加算が「自立生活支援加算」です。
　ただ「自立生活支援加算」の算定要件は複雑で、算定要件に注意していないと実地指導でトラブルになるリスクがあります。
　この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。

障害者グループホームの「自立生活支援加算」の申請条件がわかります
「自立生活支援加算」のメリットや注意点がわかります
「自立生活支援加算」のオススメ活用方法がわかります

1 【GH】「自立生活支援加算」とは？注意点やオススメ活用法を解説
- 1.1 「自立生活支援加算」の算定上の注意点
- 1.2 「自立生活支援加算」のオススメ活用法
2 まとめ
- 2.1 戸根行政書士事務所からのお知らせ

【GH】「自立生活支援加算」とは？注意点やオススメ活用法を解説

　障害者グループホーム（共同生活住居）で取得できる「自立生活支援加算」とは、退去する利用者さんに対して、居住の場の確保や在宅サービスの連絡調整を行なった場合に算定することができます（※入居中２回と退去後１回）。

＜「自立生活支援加算」の支援内容について＞
・食事や入浴、健康管理など居宅での生活に関する相談援助
・退去後の福祉サービス利用の相談
・退去する者の運動機能や日常生活動作能力の維持や向上に関する相談援助
・住宅改修に関する相談援助
・退院する者の介護等に関する相談援助

（加算名）	（単位）
自立生活支援加算	５００単位／回

　障害者グループホームで活用できる「自立生活支援加算」の概略についてわかりました。
　ただ実際に「自立生活支援加算」を活用する上でどのようなポイントに注意し、どのように活用していくのがオススメか教えてもらえるでしょうか？

　「自立生活支援加算」注意点は、加算の算定対象や回数などに制約があることです。
　ただ「自立生活支援加算」を活用できるパターンを覚えておくと、間違えて算定することが少なくなるでしょう。
　以下では更に「自立生活支援加算」を活用する上での注意点やオススメ活用法をわかりやすく説明いたします。

「自立生活支援加算」の算定上の注意点

　障害者グループホームで「自立生活支援加算」を算定しようとする場合、加算の算定対象者や実施回数、または退去環境等に制約があるので注意して算定いたしましょう。

＜「自立生活支援加算」の算定上の注意点＞
・加算の算定対象は、利用が１ヶ月超と見込まれる利用者さんに限定される
・加算の算定回数は、入居中２回と退去後１回を限度とする
・退去後の算定は、退去後３０日以内のみ算定可能となる
・退去後に他の社会福祉施設へ入所する場合には加算は算定できない
・退去後の加算の算定は、退去前に相談援助をしていなくても算定できる

　グループホームで適用できる「自立生活支援加算」は利用１ヶ月超の利用者さんに限定されるので、体験利用の方は対象になりません。
　また「自立生活支援加算」の支援記録を忘れている場合が散見されますので、日時と支援内容をしっかり記載いたしましょう。
　「自立生活支援加算」を算定するときは個別支援計画にも位置付けるよう留意することが大切です。

「自立生活支援加算」のオススメ活用法

　障害者グループホームで算定できる「自立生活支援加算」は、退去する利用者さんが退去する場面を想定しておき、回数を間違えず忘れずに算定することが大切です。

＜「自立生活支援加算」を算定できる主なパターン＞
・区分も低くサテライト型GHで準備して退去する
・家族の支援が必要ということで自宅もしくは実家に退去する
・体調が安定し就職したので通勤先近くに退去する

　障害者グループホームから退去される殆どの場合、「自立生活支援加算」の支援にあたる内容は、加算の算定の関係なく慣習的に行うことが多いです。
　利用者さんが退去することは事業所の経営で収益が下がることを意味しますが、「自立生活支援加算」を算定してマイナス分を減らしましょう。
　「自立生活支援加算」を算定することを忘れることも多いのでご注意ください。

まとめ

　障害者グループホームで活用できる「自立生活支援加算」について詳しく分かりました。ありがとうございます。
　「自立生活支援加算」の要件に合致した利用者さんがいるか見直し、「自立生活支援加算」を間違いなく算定できるようにいたします。

　「自立生活支援加算」は退所前後で３回算定できるので、１人あたり約１５,０００円の収益を上げることができます。
　ただ退所後の連絡調整は時間がかかることがあり、加算額の殆どは人件費に消化されるでしょう。しかし退所後の支援まできっちり行う事業所は地域からも信頼されるので「自立生活支援加算」を活用しましょう。
　そのためにもしっかりと「自立生活支援加算」の適用要件を確認し、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。