障がい者グループホームを運営していますが、利用者さんが増えずに経営に苦しんでいます。そこで短期入所のサービスを併設して運営することを検討しております。
この短期入所サービスを障害者グループホームと同時に運営する場合、どのような方法で収益を上げることができますか?
障がい者グループホームの日中サービス支援型以外では、特に短期入所サービスを同時に運営することは義務付けられていません。
ただ部屋数のある物件で障害者グループホームを運営されている場合、短期入所を併設した方が収益面で有利な可能性があります。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 障害者GHに短期入所を併設する条件がわかります
- 障害者GHに短期入所を併設する注意点がわかります
- 障害者GHに短期入所を併設して収益アップする方法がわかります
目次
【GH】障害者グループホームに短期入所を併設して収益を上げる方法とは?
障害福祉事業の障がい者グループホームの事業所は、一体的に運営する届出を提出することで「短期入所」という障害福祉サービスを同時に、過度な負担なく運営することが可能です。
<「短期入所」サービスとは>
居宅において介護を行う者が病気等の理由により、障害者の介護を出来ない場合、短期間その方を入所させて代わりに入浴・排泄・食事などの支援を行うサービスです。「短期入所」は3種類あり、「併設事業所」と「空床利用型事業所」の2種類がグループホームと同時に運営できる種類です。
(種類) | (実施形態) |
併設事業所 | GHの一部を専ら短期入所サービスの実施場所とする |
空床利用型事業所 | GHの空き部屋を短期入所サービスの実施場所とする |
<「短期入所」サービスの人員配置のポイント>
管理者 :GHの管理者と兼務できる
直接支援員:「短期入所」サービスの利用者もGHの利用者とみなし、全体の利用者数に対してGHの必要人員基準を満たしていればいい
障がい者グループホームとは別に短期入所サービスの概要について理解いたしました。
ただ短期入所サービスの種類をどのように選べば、事業所全体の収益面で安定するか教えてもらうことはできますか?
障がい者グループホームの現状に応じて短期入所サービスの種類を適切に選ぶことがポイントになります。
短期入所サービスの種類のメリットとデメリットを理解し、自社の現状に相乗効果がある方法を検討いたしましょう。
以下では短期入所サービスの各種類のポイントについてわかりやすく説明いたします。
「併設事業所」型のメリットとデメリット
障がい者グループホームと同時に、「短期入所」サービスの「併設事業所」を選択する場合、その共同生活住居の定員が8人以上だとGHの減算がなくメリットがあります。
<「併設事業所」型のメリットとデメリット>
メリット :大規模住居等減算(※8人以上減算)を避けることができる
デメリット:「短期入所」の空室が出てもGHの利用者で埋めることができない
障害者グループホームで10人定員の共同生活住居を運営する場合、そのままでは大規模住居等減算になりますが、「短期入所」の「併設事業所型」を組み合わせることで減算になりません。
ただし大規模住居等減算は大きな減額ではないので、需要が見込めば「短期入所」を取り入れなくてもいいでしょう。
併設型なのでいつでも短期入所の利用者を受け入れる準備を整えておく必要があります。
「空床利用型事業所」のメリットとデメリット
障がい者グループホームと同時に、「短期入所」サービスの「空床利用型事業所」を選択する場合、その共同生活住居の集客等に自信がない時はメリットがあります。
<「空床利用型事業所」メリットとデメリット>
メリット :GHの利用者が減っても短期入所の利用者で埋め合わせできる
デメリット:短期入所の利用者が一時的に入所し出ていけば、利用者がいなくても人員配置基準は厳しくなる
障害者グループホームで「短期入所」を導入する際に一般的に、空室を避けるという目的で「空床利用型事業所」が選ばれます。
地域の計画相談事業所などにしっかりと営業をかけておけば、グループホームの空室が出た際に「短期入所」利用者で埋めることができます。
ただし「短期入所」の利用は長期間は続かないので、その間に次のグループホームの利用者の需要を掴みにいきましょう。
まとめ
障がい者グループホームに適用される取得条件に細かい条件がありますについて詳しく分かりました。ありがとうございます。
まずは有資格者を探すことから始めて、地域の更生施設の動向も調査しつつ、「地域生活移行個別支援特別加算」の取得に向けて動きたいと思います。
「地域生活移行個別支援特別加算」は、利用者の獲得に悩む事業所の、事業体制の方向転換を促します。
「地域生活移行個別支援特別加算」を上手く活用すれば、出所者等も受け入れ可能になり、利用者を獲得できる幅が広がって経営が安定する可能性はあります。ただ出所者等を受け入れることは大変でもあり、組織を壊しかねない事態に発展しかねないことにも注意致しましょう。
でも出所者等の受け入れ先は社会問題にもなっているので、地域社会や関係機関からも信頼されるグループホームの体制を作ってみてはいかがでしょうか。
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