障害者グループホームを運営していますが、比較的軽度で通勤している利用者さんが多いです。そこで「通勤者生活支援加算」があると知りましたが、要件や算定方法がよくわかりません。
お尋ねしたいのですが、「通勤者生活支援加算」を算定する上での注意点やオススメの活用法を詳しく教えていただけますでしょうか?
「通勤者生活支援加算」は、利用者で通勤者の多い事業所で活用できて収益アップになります。
ただ「通勤者生活支援加算」を算定するための計算方法での間違いや根拠書類の紛失などが散見されリスクがあります。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 障害者グループホームの「通勤者生活支援加算」の要件がわかります
- 「通勤者生活支援加算」を取得する上での注意点がわかります
- 「通勤者生活支援加算」に関するオススメ活用法がわかります
「通勤者生活支援加算」とは?よくある間違いや注意点を解説
障害者グループホームで活用できる「通勤者生活支援加算」とは、主に日中に、「職場での対人関係の調整/相談/支援」や「金銭管理の指導等」の日常生活上の支援を場合に算定できます。
<「通勤者生活支援加算」の注意点>
・加算の対象となる事業所は、就労する利用者が50%以上の事業所のみ
・共同生活援助の類型の「日中サービス支援型」は加算対象にならない
(加算名) | (単位) |
「通勤者生活支援加算」 | 18単位/日(≒ 180円) |
障害者グループホームで算定できる「通勤者生活支援加算」の概略についてわかりました。
ただ実際に「通勤者生活支援加算」を算定する上でどのようなポイントに注意し、どのように活用していくのがオススメか教えてもらえるでしょうか?
「通勤者生活支援加算」の算定は簡単なようで頻繁にミスも起こり、実地指導の時に返金になったと仄聞いたします。
加算対象事業所の要件を間違えやすいので注意いたしましょう。
以下では更に「通勤者生活支援加算」を算定する上での注意点やオススメ活用法をわかりやすく説明いたします。
よく間違えるポイント
障害者グループホームで「通勤者生活支援加算」を算定するときに、よく間違えるポイントとして加算対象事業所の未確認や支援内容の記録の不備が挙げられます。
<間違え1:加算対象事業所について>
・一般就労者が50パーセント以上の事業所である
・その割合に就労継続支援A型B型の利用者は含まない
・「50パーセント以上」の算定は利用者実数の割合であり常勤換算数ではない
<間違え2:支援内容の記録について>
・就労先と連絡調整を行なった日中の時間帯を記載する
・基本的に配置しないGHの日中の時間帯にスタッフを配置する
・就労先に個人情報保護の同意書を書いてもらう
グループホームで使える「通勤者生活支援加算」を、50パーセント以上の一般就労者がいなくても算定している場合は返金になるので注意いたしましょう。
逆に50パーセント以上でも、利用者数に変動があり割合が変われば自治体に届出をして加算の取り下げをいたしましょう。
また特別に「通勤者生活支援加算」を算定する場合はその日の人員配置に昼シフトも必要になるので、調整して配置し記録に残しましょう。
オススメ活用事例
障害者グループホームで活用できる「通勤者生活支援加算」の使い方としては、比較的軽度の障害で就労する方が多い体制の強化を可能にいたします。
<「通勤者生活支援加算」と相性の良い事業所>
・サテライト型やマンション個室型のGHで比較的軽度の障害者が多い事業所
・同じ就労先に5人以上通勤する利用者がいる事業所
・就Aや就労定着支援事業所を併設する事業所
障害者グループホームで算定できる「通勤者生活支援加算」は、加算額が1人当たり1日で180円と少なく、5人以上を抱えても効率的ではありますが人件費ギリギリのラインになります。
ある程度の人数が就労していれば加算額も高くなり有効ですが、必要性がない限り無闇に取得することも推奨できません。
ただ就労定着支援事業所の定着支援と支援内容が重なる場合もあるので、両方のサービスで同時に算定できれば効率的でしょう。
まとめ
障害者グループホームで算定できる「通勤者生活支援加算」について詳しく分かりました。ありがとうございます。
加算対象事業所になるための該当利用者を確認し、根拠書類を整理しようと思います。
「通勤者生活支援加算」は1人1日180円の加算額なので、5人程度いないと人件費のカバーも難しい状況です。
加算対象事業者の条件も厳しく、「通勤者生活支援加算」は連絡調整の人件費にあてると考えましょう。 また加算額も小さく、加算を算定すれば実地指導でもチェックされるので、事務負担を考えて条件が揃っていても「通勤者生活支援加算」を算定しないことも一案です。
しっかりと「通勤者生活支援加算」の算定要件を守り活用していくことで、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。
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