★★★記事執筆者のご紹介★★★
この記事は障害福祉事業専門で、国家資格者である行政書士の戸根裕士が作成しております。多数の顧問先様との仕事から得られた、実務に役立つ注意点をまとめました。
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障害者グループホームを運営していますが、令和6年度の報酬改定への対応が不安です。特に「自立生活支援加算」に変更があり追加もされましたが、取得要件がわかりにくく心配になっています。
そこでお尋ねしたいのですが、令和6年度の報酬改定の障害者グループホームに新設の「自立生活支援加算」を算定する上でどのようなポイントに注意すればいいか、詳しく教えていただけますでしょうか?
障害者グループホームの「自立生活支援加算」は令和6年度より3パターンに拡充され、旧「自立生活支援加算」(500単位/月:入居中2回,退去後1回)とは大きく異なります。
それぞれ(I)~(III)ごとに算定要件や注意点が異なり、しっかり理解していないと実地指導でトラブルになるので注意が必要です。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- 令和6年度に改定された「自立生活支援加算」がわかります
- 「自立生活支援加算」(I)~(III)の算条件がわかります
- 「自立生活支援加算」の活用パターンがわかります
目次
【令和6年報酬改定】GH自立生活支援加算(I)~(III)とは?算定要件から活用方法も解説
令和6年度の報酬改定により新設される「自立生活支援加算」とは、利用者がグループホームから一人暮らしへ移行するための支援や連携を実施した事業所が対象になります。
(種類) | (算定条件) | (単位) | (対象GH) |
自立生活支援加算(I) | 個別支援計画を見直し住居確保等の支援 (6ヶ月) | 1,000単位/月 | 包括型、外部型 |
自立生活支援加算(II) | 住宅確保並びに転居後見守り支援を行う (入居中2回/退去後1回) | 500単位/回 | 日中型 |
自立生活支援加算(III) | 移行支援を前提として日常的に住宅確保等 (3年間) | 80単位/日 | 包括型、外部型 |
※「自立生活支援加算」(I)のオススメ活用法
これまで障害者グループホームから退去する場合は殆ど追加報酬がない状況でした。ですから、令和6年度以降は別のグループホーム等に行かない限り、この「自立生活支援加算」(I)のパターンをあてはめて、せっかくですので加算額を取得して退去支援の追加業務に充てることを検討してみてください。
令和6年度の報酬改定により改定された「自立生活支援加算」についてわかりました。
ただ(I)から(III)の各種類の具体的な注意点や活用法がわからないので、「自立生活支援加算」を上手に使う方法とパターンなどを教えてもらえますか?
令和6年度の報酬改定は障害者グループホームに定住せず、そこから一人暮らしへの促進をしっかり評価いたします。
そこで「自立生活支援加算」を活用するために大事なのは、一人暮らしの希望のタイミングと加算条件をきっちり守ることです。
以下では令和6年度の報酬改定による「自立生活支援加算」の算定ポイントをわかりやすく説明いたします。
「自立生活支援加算」(I)の注意点
令和6年報酬改定で見直された「自立生活支援加算」(I)は、加算対象外の利用者や支援内容についても細かくルールが決まっているので、間違えないよう注意が必要になります。
<ポイント1:加算対象ではない利用者とは>
・引き続き共同生活住居での支援を希望する方
・事業所側の事業により退去を求められている方
・他のグループホーム等の利用を求めている方
・一人暮らしへの意思が明確でない方
<ポイント2:支援内容について>
・住居確保のための支援
・生活環境の変化に伴う情報提供や助言(=ゴミ出しの方法、家電の使い方、買い物場所の確認)
・生活環境の変化に伴う福祉・医療関係機関との連絡調整(=担当者会議への出席や同行支援)
「自立生活支援加算」(I)はグループホームに利用中に一人暮らしの希望が出た場合の加算になります。
「自立生活支援加算」(I)の算定は6ヶ月と期間がありますが、期間中に上記の支援内容をしっかり行い一人暮らしに向けた支援をしましょう。
この「自立生活支援加算」(I)のための支援内容を日々のサービス提供記録の中に記しておくことも大切です。
「自立生活支援加算」(III)について詳しく知る!
令和6年報酬改定で新設された「自立生活支援加算」(III)は所謂「移行支援住居」と呼ばれ、加算算定のために新しい要件が詳細に定められているので、一つ一つ確認して間違えないよう加算を算定いたしましょう。
<「自立生活支援加算」(III)の詳細要件について>
・移行支援住居を1以上確保する
・移行支援住居は定員2名以上7人以下である
・サービス管理責任者の配置は7:1以上である
・サービス管理責任者は社会福祉士又は精神保健衛生士に限定される
・支援内容は、住宅等の確保と一人暮らしに向けた関係機関との連絡調整である
・居住支援法人又は居住支援協議会との情報共有する
・居住支援法人と共同して住宅確保の課題を担当者会議で報告する
「自立生活支援加算」(III)は障害者グループホームの利用前に、一人暮らしへの意思が明確になる場合を想定しています。
「自立生活支援加算」(III)の算定期間は3年間あり、居住支援法人や関係期間等の連絡調整の事務負担が大きいことに注意してください。
またサービス管理責任者の配置要件も異なるので、特に資格要件等に気をつけて人員配置を行なってください。
まず今できること:一人暮らしに向けた2パターンの活用法の理解
令和6年報酬改定で新設された「自立生活支援加算」(I)~(III)は、主に介護サービス包括型や外部サービス利用型では、加算の算定時期や本人の希望に合わせて2パターンの活用法があり、合わせて算定できる他加算との組み合わせを含めて2パターンの理解が大切です。
(種) | (条件) | (当該加算) | (その他加算) | (合計) |
パターン1 | 利用中の一人暮らしへの希望 | 自立生活支援加算(I) | 居住支援連携体制加算 (35単位/月) 地域居住支援体制強化推進加算 (500単位/月) | 15,350円/月 |
パターン2 | 利用前から一人暮らしへの希望 | 自立生活支援加算(III) | ピアサポート実施加算 (100単位/月) | 25,000円/月 |
※「自立生活支援加算」(I)のオススメ活用法
これまで障害者グループホームから退去する場合は殆ど追加報酬がない状況でした。ですから、令和6年度以降は別のグループホーム等に行かない限り、この「自立生活支援加算」(I)のパターンをあてはめて、せっかくですので加算額を取得して退去支援の追加業務に充てることを検討してみてください。
「自立生活支援加算」(I)と「自立生活支援加算」(III)のパターンを比較すると、(III)の方が一人当たり月額1万円以上高いことがわかります
けれどもサービス管理責任者に資格要件があり、更に通常と比較した配置時間増があることから、人件費が想定以上にかかる可能性に留意いたしましょう。
(I)でも(III)でも、組み合わせで算定できる別の加算もあるので、他の加算の算定要件も確認しておきましょう。
まとめ
令和6年度の報酬改定による「自立生活支援加算」(I)~(III)について詳しく分かりました。ありがとうございます。
新設された「自立生活支援加算」(I)か(III)を算定するために転居支援をしっかりしたいと思います。
令和6年度の報酬改定により、一人暮らしに向けた支援を行う障害者グループホームが評価されるようになりました。
5人定員だとすると「自立生活支援加算」(I)だと76,750円、他方で(III)だと125,000円の収入増が見込める可能性があります(但し全員退去すると利用者0になります)。 ただ通常業務に加えて住宅確保や連絡調整の業務が増えるので、事務負担増を見込んで支援に支障がない人員配置を行なってください。
令和6年度の報酬改定にもしっかり対応し、自治体や利用者さんから信頼される組織を作ってください。
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