障がい福祉事業に関する「強度行動障害者体験利用加算」とは何でしょうか?
「強度行動障害者体験利用加算」は特にグループホーム事業で有効な加算です。
近年の傾向は、
高齢者や重度の障害の方への支援を強化する
点にあります。
その一環で、強度行動障害を有する者への支援が適正にできる事業所に加算が算定されるようになりました。
この記事を読めば、「強度行動障害者体験利用加算」の取得の方法や活用事例がわかる
弊所が関わるグループホーム事業所さまでも、重度の障がいをお持ちの方を支援するところが多くあり、その運営も大変です。
この「強度行動障害者体験利用加算」は、重度支援のグループホームにとって重要の加算とも言えるのでぜひ取得してみましょう。
目次
強度行動障害者体験利用加算とは?
「強度行動障害者体験利用加算」とは、
強度行動障がい者が体験利用をする時、「研修を経た経験者」を配置するグループホームに対する加算
のことです。
そこでポイントは、
「研修を経た経験者」として誰をどのように配置するか
という点にありますね。
取得条件
「強度行動障害者体験利用加算」の取得条件は、次の2点です。
1:「サービス管理責任者」or「生活支援員」のうち1名以上が強度行動障害支援者養成研修(実践研修)修了者であること
2:「生活支援員」の中でその20%以上が、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者であること
つまり、強度行動障がい者が体験利用をする時に適切に支援できるよう、スタッフに研修を受けさせておくことが大事なのです。
強度行動障害支援者養成研修とは?
強度行動障害支援者養成研修とは、
自傷行為や他害行為のある強度の行動障がいを有する障がい者(児)の特性を理解し、「安定した日常生活」を送れるよう支援するための研修
のことです。
基本的には「基礎研修」と「実践研修」に分かれます。
基礎研修カリキュラム(2日間)
- 強度行動障害の基本事項
- 強度行動障害に関する制度と基本的な支援技術
- 情報収集と記録等の共有方法
- 行動障害者のコミュニケーションの理解
- 行動障害の背景にある特性の理解
実践研修カリキュラム(2日間)
- 強度行動障害者へのチーム支援
- 強度行動障害と生活の組み立て
- 障害特性の理解とアセスメント
- 環境調整による強度行動障害の支援
- 記録に基づく支援の評価
- 危機対応と虐待防止
注意点
「強度行動障害者体験利用加算」の取得に関する注意点は次の通りです。
2 「サービス管理責任者」と兼務していても「生活支援員」に数える
オススメの活用事例とは?
「強度行動障害者体験利用加算」の活用事例を考えるために、加算設立の目的をまず参照いたしましょう。
「強度行動障害者体験利用加算」を設立した目的とは、
強度行動障害を有する者が地域移行のためにグループホームにおいて体験利 用を行う
という点にあります。
つまりポイントは、グループホームを活用した地域移行の促進という点にあります。
そこでこの点を踏まえたオススメの活用事例をご紹介いたします。
地域移行支援の事業所との連携
地域移行支援という障がい福祉事業所は、
障害者支援施設等に入所している障害者や、精神科病院に入院している精神障害者が地域生活に移行する際の相談や支援等の援助
を行います。
それゆえに、自傷行為や他害行為、それにパニック行動をする方が施設や病院から離れて、地域生活に移る支援をいたします。
そうした行動障害の方はすぐに一人で自立した生活をすることは困難です。
従って、そうした強度行動障がいの方を専門的にケアできるグループホームがあれば、これから益々需要は増えるでしょう。
こうしたプロセスにおいて専門的なグループホームを体験利用することは重要なのです。
「重度障害者支援加算」との組み合わせ
体験利用を対象とした「強度行動障害者体験利用加算」が取得できる事業所であれば、別の加算と同時取得がオススメです。
その組み合わせて取得したい加算は「重度障害者支援加算」です。
「重度障害者支援加算」とは、重度の障害をお持ちの方に対して、一定の専門知識を持つスタッフが支援することで取得できる加算です。
ポイントは、
「強度行動障害者体験利用加算」で従業員に求められる研修要件と、「重度障害者支援加算」の取得条件が重なっている
ところです。
それゆえ、強度行動障がいの方の体験利用だけでなく、実際に受け入れる体制も整っていれば、これからの地域福祉の拠点の一つになるでしょう。
まとめ
病院や施設等から地域に障がいをお持ちの方が移行するための支援体制を整えることは、これからの障がい福祉の世界で必要なことです。
「強度行動障害者体験利用加算」は、そのような移行に専門的な知識を持って対応できる事業所を評価する加算です。
この加算を算定できる体制を整えれば地域の中で独自の存在感を出せますので、スタッフに研修を受けさせるなど準備を始めていきましょう。
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