グループホームの費用はどのように設定すればいいですか?
利用料と費用の違いが分かりません、、、
あとから費用を変えることは可能でしょうか?
この記事ではグループホームの費用の設定に重要な各項目と合理的説明方法について解説いたします。
利用料と費用の違いにも注意し、グループホームで間違えやすいポイントをご説明いたします。
この記事のポイント
・障がい者グループホームの住居費等の適正な設定の仕方がわかる
・住居費等の設定に関する注意点がわかる
・住居費等の設定に関して整理すべき書類の書き方がわかる
目次
グループホームの費用設定はどのように?
・費用 :家賃などグループホームに滞在する上でかかる費用
・利用料:援助サービスに対する利用料
障がい者グループホームの費用設定を上手くする前提に、費用と利用料の違いを理解しておきましょう。
「費用」は基本的に実費ですが、「利用料」は所得に応じた負担になります。
(世帯の状況) | (負担上限月額) |
生活保護受給世帯 | 0円 |
市町村民税非課税世帯 | 0円 |
上記以外 | 37,200円 |
こうした定額の「利用料」とは別に、グループホーム費用は事業者側で設定できるのですが、そのコツとは何でしょうか?
ポイントは少しでも儲かるように恣意的に設定することができない点です。
これまでのグループホームを支援した業務経験からポイントを解説していきます。
費用項目の適切な設定
障がい者グループホームの費用を算定する上で費用項目を適切に設定することが大切です。例えば以下のような例が考えられます。
- 家賃
- 食材料費
- 水道光熱費
- 日用品費
- WiFi
<不適切な例>
・交際費や娯楽費として徴収する
・介護給付費の対象となり事業所負担とすべき費用を徴収する
・利用者が希望しない物品等の提供に関する必要を徴収する
ポイントは共同生活を営む上で必要な項目だけを費用の設定とすることです。
その他の費用として別に徴収することも出来ますが適正化どうかの線引きが難しいです。
具体的に想像がつきにくいと思いますので具体例をあげてご説明たします。
<「身の回りの日常品」を事業者が提供するのは認められる>
・歯ブラシ
・化粧品
・シャンプー/リンス
・タオル
・布団
・テレビ
<「教養娯楽等」として日常生活に必要なものは認められる>
・書籍/新聞
・ゲーム
・インターネット使用量
・お菓子/酒/タバコ
合計額の設定のポイント
障がい者グループホームの利用者はその多くが年金や生活保護で生活されているでしょう。
また日中は就労継続支援B型などに通い、仕事をして工賃を得ている方もおられます。
そこでグループホームの費用を設定するポイントは、
年金/生活保護+工賃収入 > 利用料+諸費用
というようにう、家計が苦しくない値段にいたしましょう。
※合計額を3で割り切れる数にしておくと簡単です
障がい者ホームの合計費用を3で割り切れる数にしておくと、体験利用や月途中の利用でも、簡単に日割りにしやすいという利点があります。
※家賃は自社所有物件なら自由に設定できて簡単です
食材費などの過大請求に対する指導が厳しくなっているので、グループホームの物件が自社所有の場合は物件の家賃を上げて、食材費等を下げ、合計額を等しくする方法もあります。
生活保護へ移行させない
障がい者グループホームの費用は事業所が任意で設定できますが、だからと言って可能な限り徴収するのは難しいです。
上限として考えるべきポイントは生活保護へ移行させないということです。
例えば障害年金で生活していて、それ以上の額となり貯蓄が尽きてしまい生活保護へ移行することは不適切です。
仮に生活保護申請の時に、貯金通帳がチェックされた際、高額の費用請求の実態が判明すれば障害福祉課から指導が入るでしょう。
グループホーム費用設定の注意点!
グループホーム費用を事業者側が設定するときに、是非とも気をつけたい注意点とは何ですか?
これまで任意で設定できるグループホーム費用の基本的事項をご説明いたしました。
グループホームの事業者の資料を確認していて、気になったポイントを解説いたします。
あやふやな費用項目を設定しない
よくある注意点が、共同生活に関係のない曖昧な費用を設定してしまうことです。
あくまでも共同生活住居で支援を受けて生活する中で生じる費用を項目として設定し徴収してください。
例えば、
- 共益費
- 雑費
- 会費
- 支援費
などが挙げられます。
<サテライト型住宅の費用の注意点>
・物件家賃と利用者請求家賃ができるだけ等しいように設定しましょう
・建物修繕積立という名目での徴収は認められません
・礼金や敷金の徴収は認められません
合理的な根拠がない
グループホーム事業者様の中で、合理的な根拠がなく値段を設定されている方もいらっしゃいます。
費用設定は契約書や重要事項説明書にも記載しますので、「なぜこの値段か?」に答えられないと信用を失います。
特に均等割できない費用項目や後に値上げなどする場合、値段の合理的な説明ができないと利用継続の危機になります。
家賃助成を不適切に利用しない
グループホームの家賃は基本的に相場と同程度が相応しいですが、低所得者等には「家賃補助」が受けられます。
・【運営基本】障害者グループホームの家賃補助とは?よくある質問も解説
そこでこの「家賃補助」を利用し、利用者負担は同じだからという口実で他の費用を値上げして、事業者受取額を増やすことは不適切です。
「家賃助成」はあくまでも利用者負担の軽減であり、その趣旨を理解せずに活用することはトラブルのリスクがあります。
変動しない費用について
グループホームの費用の中で、利用者の数に関係なく「変動しない費用」があります。
<「変動しない費用」の設定の注意点>
・定員全員が埋まった上で公平に分担した費用にする
・入院時や帰省時の費用負担(※特に家賃)について文章で合意を得ておく
つまり中々定員が集まらず事業者負担が大きいので、今いる利用者で均等に負担してもらおうとすることは不適切です。
利用者負担が不当に増額されていると実地指導で指摘されるのでご注意ください。
利用契約書や重要事項説明書に均等割の旨を明記しておくことをお勧めいたします。
変動する費用の注意点
グループホームの費用の中には、その月々に利用した量に応じて変動する費用もあります。
例えば「水道光熱費」などですが、実費で取るとなると誰がどの程度利用したかを把握することは非常に困難です。
それゆえに変動する費用を徴収するときのポイントは、
最初から不合理ではない範囲で適当な値段を定額で設定しておく
ことです。
そして「変動する費用」については特に重要事項説明書などで徴収する根拠を明示しておけば、後々利用者とのトラブルも少なくなります。
値上げをする時には
グループホームの費用を値上げする時には、まずその値上げに対する合理的な根拠を用意しましょう。
そして値上げの際に忘れていけないポイントは、
運営規程・重要事項説明書・契約書の変更の同意書を入手する
ことです。
また年金や生活保護の収入内で収まるように配慮することにもご注意ください。
グループホームを退所する時には
障がい者グループホームを退所する時は、食材費や日用品費などのそれまでの預かり金を精算することが必要です。
そして値上げの際に忘れていけないポイントは、
最終利用月の翌月を待って精算すること(実費払いがある場合)
ことです。
障がい者グループホームを退所する際に今後の連絡先を確認しておき忘れずに預かり金の精算をいたしましょう。
まとめ
グループホームの費用の設定の仕方のコツがよく分かりました。
自分の事業所でも危ないところがあったので助かりました。
お言葉ありがとうございます。
まとめるとグループホームの費用の設定のポイントは3つです。
・儲けようとしない
・説明を求められた時に合理的な根拠が説明できる
・生活保護や年金また工賃を含めた収入内におさめる
戸根行政書士事務所からのお知らせ
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