【GH】グループホーム体験利用の注意点とは？家賃負担や地域移行との連携を解説

2023.8.3
事業経営, 運営支援

　障がい者グループホームを新規で開設して、体験利用をする方が多くいます。ただ体験利用の手続きをどのようにするかよくわからない部分があります。
　そこで障害者グループホームの体験利用を提供する場合に、トラブルにならないようどのようなポイントに注意すればよろしいでしょうか？

　障がい者グループホームの体験利用は、利用者さんが本当に当グループホームに馴染むか適正をはかるための大切な手段です。
　ただ体験利用だからと言って手続き面を疎かにしては、実地指導の時にトラブルになる可能性があります。
　この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。

障害者GHの体験利用の条件がわかります
障害者GHの体験利用に関する費用設定の注意点がわかります
障害者GHの体験利用と地域移行支援の加算の関係がわかります

1 【GH】グループホーム体験利用の注意点とは？家賃負担や地域移行との連携を解説
- 1.1 体験利用の家賃など費用について
- 1.2 地域移行支援事業の体験宿泊加算に注意
2 まとめ
- 2.1 戸根行政書士事務所からのお知らせ

【GH】グループホーム体験利用の注意点とは？家賃負担や地域移行との連携を解説

　障害福祉事業の障がい者グループホームを体験的に利用する場合は、本入居と違って基本報酬が(IV)という独自の単位になりますが、通常と変わらず契約手続きから個別支援計画の作成まで一般的な業務が求められます。

＜GHの「体験入居」の注意点＞
・体験入居用の利用契約書と重要事項説明書が必要です
・１ヶ月未満の入居に応じた費用設定が契約書等で必要です
・受給者証に記されている期間しかサービス提供できません
・上記期間を設定した体験時の個別支援計画が必要です

　障がい者グループホームの体験利用の概要について理解いたしました。
　ただ体験利用の概要を確認する限り殆ど一般的な共同生活援助の支援と変わらないように思うのですが、体験時のグループホーム支援をするにあたって特別注意するポイントはありますか？

　障がい者グループホームの体験利用は、外部の関係機関との連携も密接で、１ヶ月未満という機関なので費用の設定が独特です。
　そのグループホームの体験利用という特殊な性格を事前に説明しておかないと、利用者さんやご家族との間でトラブルになるでしょう。
　以下ではグループホームの体験利用の注意点についてわかりやすく説明いたします。

体験利用の家賃など費用について

　障がい者グループホームの体験利用は通常の利用と違って１ヶ月未満の短時間ですので、家賃や各種費用の設定を通常時の額と同一ではなく、利用者さんやご家族が納得してもらえるよう合理的に設置された金額を提示いたしましょう。

＜GH「体験利用」の費用設定のポイント＞
・家賃　　　：体験日数に応じて日割りにする
・水道光熱費：実費請求は難しいので1人あたりの推定値から日割りにする
・wifi代　　：固定額を日割りにする
・日用品費　：実費分だけ請求

　 障害者グループホームの体験利用の費用設定でポイントは、合理的な説明ができる形で「日割り」で決めることです。
　通常のGH利用と混同して、通常の１ヶ月かかる費用を請求してしまうとトラブルの原因になります。
　実費を算出できれば問題はありませんが、難しい場合は説明が求められた時に答えられる計算式を準備しておきましょう。

地域移行支援事業の体験宿泊加算に注意

　障がい者グループホームの体験利用は、病院や施設からの退所支援をする地域移行支援の一環として利用されることがありますが、この地域移行支援の事業所が「体験宿泊加算」を算定している場合はグループホーム側で基本報酬等が請求できない点に気をつけましょう。

＜地域移行支援事業所の「体験宿泊加算」とは＞
一人暮らしに向けて、その課題や目標を地域移行支援計画に位置付けて、体験的な宿泊支援や夜間支援を行います。
・体験宿泊加算１（日中支援）：３００単位／日
・体験宿泊加算２（夜間支援）：７００単位／日

＜地域移行の体験宿泊時の共同生活援助の対応について＞
体験利用者への支援は基本的に地域移行支援事業所が中心になって行います。グループホームとしては家賃等の実費に関する契約を行い、体験期間の日割りで請求いたします。夜間に関しても地域移行支援事業所に任せるのでGHの支援は殆どありません。

　障害者グループホームの体験利用時に、地域移行支援の「体験宿泊」であることを知らず、間違えて基本報酬単位を請求することで後にトラブルになりがちです。
　各種関係機関との繋がりの中で地域移行の「体験宿泊」であるかどうかしっかり確認いたしましょう。
　地域移行の体験宿泊であってもGH側で負担した実費は請求できるので、事前に利用者または地域移行支援事業所にも説明しておきましょう。

まとめ

　障がい者グループホームの体験利用の注意点について詳しく分かりました。ありがとうございます。
　まずは実地指導の時にトラブルにならないように、利用者さんへの説明書類を確認するなど体制を見直します。

　 障害者グループホームの体験利用から本入居につながる確率を高めれば、GHとしての収益を高められるチャンスです。
　ただ体験利用では費用計算を細かくする必要があり、利用者さんから信頼を得るために合理的な額を算出しましょう。他にも地域移行支援の「体験宿泊加算」が算定されていればGHの体験利用の基本報酬が請求できないので注意です。
　長く暮らすかもしれないグループホームと接する第一歩としての体験利用を適正に行い、地域社会や関係機関からも信頼されるグループホームの体制を作ってみてはいかがでしょうか。