障がい者の就労継続支援事業所を運営していますが、次の店舗拡大のためにサービス管理責任者を探すか、または育てたいかしたいです。。ただサービス管理責任者に就任するための実務経験年数と資格が複雑でわかりません。
そこで障害福祉事業のサービス管理責任者に必要な実務経験ごとのおすすめルートを詳しく教えてもらえるでしょうか?
障害福祉事業のサービス管理責任者になるための実務経験年数は3年から8年まで幅が広く、条件となる資格の選択も複雑です。
もし必要な実務経験年数の選択を間違えると、数年間の待機時間が発生し、事業拡大のチャンスを逃すかもしれません。
この記事では事業者様の理解の一助になるように以下の内容を説明いたします。
- サビ管に必要な3年の実務経験年数のおすすめルートがわかります
- サビ管に必要な5年の実務経験年数のおすすめルートがわかります
- サビ管に必要な8年の実務経験年数のおすすめルートがわかります
目次
【注意】サービス管理責任者の実務経験おすすめルートとは?3年,5年,8年ごとに解説
障害福祉事業で原則配置が必要なサービス管理責任者になるには、サビ管基礎研修・相談支援従事者初任者研修・サビ管実践研修を受講する他に、ご本人の資格や職場に応じた実務経験年数をしっかり貯めていく必要があります。
<実務経験年数を確認するポイント>
・これまで相談支援業務に従事してきたか、直接支援業務に従事してきたか
・自分が従事してきた職場が一覧表の中にあるか
・保有資格は「有資格者等」に該当するか
・自分の実務経験年数は3年、5年、8年のどれか
障がい者事業のサービス管理責任者の実務経験年数の概略について理解いたしました。
ただサビ管に必要な実務経験年数とその条件が複雑なので、必要年数ごとにどのようなキャリア戦略を取ればいいか教えてもらえますか?
サビ管になるには3年から8年の間の実務経験が必要ですが、取得資格や就業場所によって選択は大きく変わります。
もし面接時などに実務経験年数を選択する条件の確認を間違えると、事業拡大戦略がストップするかもしれません。
以下では3年から8年ごとに分類して、サビ管候補のキャリア戦略のポイントについてわかりやすく説明いたします。
3年の実務経験おすすめルート
障害福祉事業のサービス管理責任者に対置するために3年の実務経験だけで十分な場合、国家資格等を保持していることが条件ですが、特に「社会福祉士」や「介護福祉士」などの介護系の保持者が狙い目です。
<戦略:経験者の中途採用を狙う>
実務経験が3年だけの国家資格は、取得するのに少なくとも数年かかり自社内の社員を育成するには時間もコストもかかります。そこで中途採用を検討する時に介護福祉士等の免許を持つ介護系の経験者を採用すれば、短期間でサビ管理にできます。
※介護系の経験者を採用する時の注意点
サービス管理責任者の就任に必要な実務経験の証明書を取得する必要がありますが、もし支援内容に高齢者介護のみ記されていると、障害のサビ管の経験者として見なされないリスクがあるので注意いたしましょう。
介護系の施設の経験者が定年後のセカンドキャリアとして障害者施設に就職することがしばしあります。
国家資格を保有していると実務経験は3年で済みますが、その証明のために実務経験証明書を確実に揃えておきましょう。
また国家資格といっても「保育士」の資格保持者は、実務経験が3年でなく5年必要になる点にご注意ください。
5年の実務経験おすすめルート
障害福祉事業のサービス管理責任者に対置するために5年の実務経験だけで十分な場合、保育士という国家資格等の保持の他、さまざまな役職の任用資格があれば事足りますが、特に訪問介護員2級(現介護職員初任者研修)の研修修了をすることがおすすめです。
<戦略:自社内で未経験者を育成いたしましょう>
実務経験が5年だけの研修等修了者になるためには、一番コスパが良いのが訪問介護員2級の研修を修了することです。なので未経験の自社の職員に、早めに訪問介護員2級の研修を受けてもらうよう準備いたしましょう。
※訪問介護員2級の受講のタイミングの注意点
令和5年7月よりサービス管理責任者のOJTの要件が変わり、基礎研修後の実務経験期間(OJT)が6ヶ月に短縮される場面が出てきました。その基礎研修受講時までに訪問介護員2級の受講を終えておけば、5年+6ヶ月でサビ管になることができます。
サービス管理責任者になるための実務経験が5年で済む訪問介護員2級の研修は、最短で1ヶ月、費用も4万円〜10万円くらいと言われております。
他にもサビ管の実務経験が5年になるルートがありますが、特に児童系の資格の実務経験はただの保育園等で認められないので注意いたしましょう。
また障害児の施設で勤務していた児童指導員の経験も条件5年に参入できますが、児童指導員の資格は複雑なので年数のカウントに慎重になってください。
8年の実務経験おすすめルート
障害福祉事業のサービス管理責任者に対置するために8年の実務経験が必要なな場合、障害福祉事業の実務経験だけではなく、その他にも介護老人系の実務経験もサビ管の年数に算定することが出来るので要注意です。
<戦略:経験者の中途採用を狙う>
8年分の実務経験を集めるのに、障害福祉事業だけでなく、「老人福祉施設」や「介護老人保健施設」の実務経験も含まれます。それゆえに中途採用を検討する対象が実は幅広くあり、求人の時にその旨をしっかり書いて募集いたしましょう。
※介護系の経験者を採用する時の注意点
サービス管理責任者の就任に必要な実務経験の証明書を取得する必要がありますが、もし支援内容に高齢者介護のみ記されていると、障害のサビ管の経験者として見なされないリスクがあるので注意いたしましょう。
障害福祉事業の未経験者がサービス管理責任者になるには、この8年の実務経験が必要になります。
8年の実務経験が必要なので6年目以降はサビ管の基礎研修を受講することができます。
ただ冒頭の表の就業場所以外の福祉施設や介護施設は認められないので注意いたしましょう。
まとめ
障がい者福祉事業のサービス管理責任者の実務経験年数とキャリア戦略について詳しく分かりました。ありがとうございます。
まずは面接時に履歴書から必要な資格や就業年数を読み取り、今後の事業展開を見据えて慎重に採用活動をしたいと思います。
サービス管理責任者の候補のキャリアを見て、3年か5年、もしくは8年の選択を素早くできるようにいたしましょう。
特に5年の実務経験年数でサビ管を配置する場合は自社内から育てることがポイントです。また3年か8年の実務経験者を採用する場合は他社からの求人に力を入れましょう。
しっかりサービス管理責任者の配置要件である実務経験と資格等の状況を確認して採用し、地域社会や関係機関からも信頼される事業拡大を行なってはいかがでしょうか。
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