最近の障がい者グループホームの動向は、重度の方や高齢者へ手厚く対応すれば、報酬に関して評価される傾向にあります。
「医療的ケア対応支援加算」は、医療ケアを必要とする利用者に適切な支援を行うことで報酬単位を得ることができて、グループホームの経営の安定につながります。
加えて「医療的ケア対応加算」とあわせて取得できる加算もあり、一気に収益を改善させるチャンスがあると聞けば気になりませんか。
この記事のポイント
・「医療的ケア対応支援加算」は取得の方法が理解できる
・「医療的ケア対応支援加算」を他の加算と組み合わせて使うポイントがわかる
・「医療的ケア対応支援加算」を算定するために地域との連携方法がわかる
※グループホームのおすすめ関連情報
・日常生活支援情報提供加算とは?要件やオススメ活用事例も解説
・(グループホーム)看護職員配置加算とは?要件・活用事例も解説
・(グループホーム)医療連携体制加算とは?要件・おすすめ活用も解説
・強度行動障害者体験利用加算とは?取得条件や活用事例も紹介
・重度障害者支援加算とは?注意点や活用事例あり
目次
医療的ケア対応支援加算とは?
グループホームなどで適用できる「医療的ケア対応支援加算」とは、医療的ケアが必要な者に対する支援について、看護職員を配置するグループホームに対する加算です(120単位/日)。
どのような取得条件で、加算の届出の書類はどのような種類が必要なの?
そこで「医療的ケア対応支援加算」を取得するための基本的なポイントを解説していきます。
加算条件
グループホームで取得できる「医療的ケア対応支援加算」の条件は2つあり、①看護職員を配置して②医療ケアを必要とする利用者にそのケアを行えば算定できます。
※自治体に加算の届出が必要にあります。
<「医療的ケア対応支援加算」の取得条件>
・指定基準の人員配置に加えて看護職員(保健師/看護師/準看護師)を常勤換算1以上配置する(※非常勤でも可)
・医療的ケア判定スコアに記載の医療を必要とする利用者がいる
※加算を算定する際の注意点
利用者に医療的ケアを行う職種は限定されていますが、その職種の方が医療的ケアをできるという体制を備えていることで算定できます。
例)看護職員がおらず、他の世話人が医療ケアを行わなくても加算を算定できます。ただし自治体によって判断が変わることがありますのでご確認ください。
医療的ケアができる職種について
1 医師/看護師
2 介護福祉士/認定特定行為業務従事者 (社会福祉士で喀痰吸引等研修を修了し認定を受けた者)
「医療的ケア判定スコア」とは?
グループホームで「医療的ケア対応支援加算」を算定するには、利用者に医療ケアが必要かどうかを判断しないといけません。
※注意点
以下の「医療的ケア判定スコア」を参照し、利用者、家族、主治医から聞き取ったり、看護職員が確認したりして、事業所で判断いたします。
医療的ケア対応支援加算の活用方法とは?
「医療的ケア対応支援加算」の単位は1日にして120単位で、おおよそ1200円/日/人と考えることができます。
例えば利用者が4人いれば一日で4800円となりますが、看護職員を常勤で雇用する人件費を考えると十分ではありません。
加算を取得すれば、どのような活用方法やメリットがあるの?
そこで「医療的ケア対応支援加算」を取得できる体制になったグループホーム の良い点をお伝えしていきたいと思います。
看護職員配置加算との組み合わせ
「医療的ケア対応支援加算」の活用方法は、看護職員を配置しているので「看護職員配置等加算」も同時に取得できることです。
・看護職員配置等加算(70単位/1日)
条件:看護職員を常勤換算で1.0以上追加で配置する
つまり「医療的ケア対応支援加算」と「看護職員配置等加算」を両方とも取得することができて、1日で合計190単位(約1900円)算定することができます(=加算報酬が約1.5倍になる)。
ただし「看護職員配置等加算」は、医療的ケアを必要としない利用者でも算定できるのでご注意ください。
※あわせて読みたい記事
(グループホーム)看護職員配置加算とは?要件・活用事例も解説
地域の医療機関からの派遣
次の「医療的ケア対応支援加算」の活用方法は、地域の医療機関がグループホームを設立し、看護職員を派遣することです。
例)地域の医療機関の活用例
看護職員の確保に外部から引き入れる必要もなく、自社の病院患者の情報共有がスムーズにできます
重度の利用者への医療情報は病院にいる時から蓄積しており、グループホームに移行しても継続的な支援が見込めるはずです。
まとめ
国の方針としてグループホームの中でも、医療ケアが必要な重度の方を受け入れるグループホームが報酬単位で評価されるような動向にあります。
「医療的ケア対応支援加算」は、重度の方を受け入れるグループホームの手助けになるでしょう。ただ対象となる利用者が「医療的ケア判定スコア」に該当するか否かは注意してください。
また「医療的ケア対応支援加算」の有効活用として、「看護職員配置等加算」と組み合わせればより効果があるでしょう。
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